高齢者に免許返納させたい家族必見|運転リスクと話し合いの進め方(チェックリストつき)

免許を返納してくれない!家族の想いと話し合いの進め方 介護の相談/介決サポーター

いえケア(在宅介護の総合プラットフォーム)

いえケア 編集部

在宅介護の総合プラットフォームいえケアです。
いえケア編集部では主任介護支援専門員としての地域包括支援センター相談員や居宅介護支援事業所管理者などの介護分野での経験を活かし、在宅介護に役立つ記事を作成しております。

相談者
相談者

最近、父の運転が心配になってきました。まだ車を使っているのですが、もう年齢は80歳。父の回りの同年代の人も免許を返納したっていう人もいるので、返納してもらいたいと思っているのですが、首を縦に振りません。

不便になるという言い分もわからなくもないのですが、説得しても聞いてくれなくて、どうしたらいいのでしょう。

高齢の親の運転に不安を感じる――そんな思いを抱えているご家族は、年々増えています。

警察庁の統計によると、75歳以上のドライバーは、全年齢層の中で最も死亡事故の発生率が高く、85歳以上になるとそのリスクは全体平均の約3倍にものぼります。
それでも、多くの高齢者は「まだ大丈夫」「事故なんて起こさない」と思って、運転を続けています。

家族としては「免許を返納させたい」「危ないからやめてほしい」と願っていても、いざ本人に伝えようとすると――
「心配しすぎだよ」「まだ運転できる」と話が進まず、気まずい雰囲気になってしまうこともあるでしょう。

この記事では、そんなあなたのために、

  • なぜ高齢者の運転が危険なのか
  • 「免許返納させたい」と思ったとき、家族が最初にすべき準備
  • 高齢者本人が納得しやすい伝え方・話し合いの工夫
  • 免許返納後の生活を不安にさせない移動手段や支援策

を、段階的に紹介していきます。

「免許をやめさせること」ではなく、安心して暮らせるこれからの生活を一緒に考えることが、最初の一歩です。
そのための具体的なヒントを、これからお届けします。

家族の願い「免許返納させたい」 ― 統計からみる高齢者の事故リスク

高齢者に免許を返納させたい理由

「親にはいつまでも元気でいてほしい」
そう思うからこそ、運転中の事故が心配になる――これは多くのご家族が抱える切実な悩みです。

高齢者の運転に関しては、感情的な心配だけでなく、統計的な裏付けもあります。
警察庁のデータによると、2023年の交通事故死亡率(10万人あたりの死者数)は、全年齢平均で2.87件に対し、

年齢層死亡事故件数(10万人あたり)全年齢比
全体平均2.87件
75~79歳4.19件約1.5倍
80~84歳5.67件約2.0倍
85歳以上9.75件約3.4倍

と、年齢が上がるほどリスクが大幅に増加しています。特に85歳以上では、全体平均の約3.4倍という深刻な数字です。

また、高齢者の事故には次のような特徴があります。

  • 死亡事故の割合が高い(致死率は他の年齢層の約6倍)
  • 昼間の単独事故が多く、「自分だけの事故」で済まない可能性が高い
  • 「自分はまだ大丈夫」という自己判断の過信による継続運転

つまり、「事故の起きやすさ」だけでなく、「事故が起きたときの重大さ」が高齢者の運転の大きなリスクなのです。


「免許を返納させたい」のは家族の“願い”

こうした現実を踏まえれば、家族が「免許を返納させたい」と考えるのは当然のことです。
それは、責める気持ちではなく、

  • 「もしもの事故で本人が傷つくのはつらい」
  • 「加害者になってしまったら本人も家族も苦しむ」
  • 「本人が“安心して”生活していける道を一緒に考えたい」

という深い思いやりと願いからくるものです。

ただし、ここで重要なのは「正しさ」ではなく「伝え方と準備」。
リスクを“突きつける”だけでは、本人の心は動きません。
だからこそ、次章では、本人の気持ちに寄り添いながら進めていくための「家族の準備」について考えていきます。

免許返納を説得する前に ― 高齢者の本音と生活背景を理解する

高齢の親に免許を返納してほしいと思っても、「まだ運転できる」「やめたら困る」と返されてしまう…。
その背景には、本人なりの理由や不安が存在します。説得の前に、まずはその気持ちを知ることが大切です。


免許を返納しない理由の1位は「生活が不便になるから」

警察庁の調査によると、高齢者が免許を返納しない理由のトップは「車がないと生活に支障が出る」というものです。

※警察庁「運転免許証の自主返納に関するアンケート調査結果

それ以外では、車を運転する楽しみが失われる、仕事を失うという意見がありますが、圧倒的に多いのは生活について不便を感じることにあります。

特に地方では、公共交通の便が悪く、「買い物」「通院」「趣味の集まり」など、日常生活の多くを自家用車に頼っているケースがほとんど。
家族が心配する一方で、本人にとっては車=生活の自由であって、車なしの生活を想像できないという方が多いのも事実です。


高齢者が運転にこだわる“本音”

免許返納に対して高齢者が抱く不安は、生活の不便さだけではありません。以下のような「本音」もよく聞かれます。

  • 「家族に迷惑をかけたくない」
     → 送り迎えを頼むのが心苦しいという気持ち
  • 「自分はまだしっかりしている」
     → 運転能力を否定される=自分を否定されるように感じる
  • 「趣味や友人とのつながりが減るのが怖い」
     → 車がないと外出機会が減り、孤独感や生きがいの喪失につながる

運転をやめることは、「できないことがまたひとつ増える」という喪失体験にもなりかねません。


まずは“説得”ではなく“傾聴”から

だからこそ、いきなり「危ないから返納して」と切り出すのではなく、まずは本人の話に耳を傾けることが第一歩です。

  • どんなときに車を使っているのか?
  • どんなことが心配で、何を手放したくないと感じているのか?

否定せずに聞くことで、本人にも「この話は“奪う”ためじゃなく、“支える”ためなんだ」と伝わります。「免許返納ありき」で説得するのではなく、本人の気持ちを聞くことを最優先にしましょう。


家族会議で“チーム”として支える体制を

本人だけに決断を迫るのではなく、家族みんなで免許返納後の生活を考える「家族会議」を開くのも効果的です。

  • 「誰が」「どんなときに」協力できるか(送迎、買い物同行など)
  • 外出や病院通いをどう支えるか
  • 地域のサービス(デマンド交通、宅配など)の活用方法

事前に「みんなで支える準備」ができていることを伝えると、本人の心理的ハードルも下がります。


情報収集も立派な“準備”です

免許返納後の生活を不安にさせないためには、本人に代替手段を「見える化」してあげることも大切です。

  • 地域の移動支援(バス、タクシー券、シルバーパスなど)
  • 宅配・訪問サービス、ネットスーパーの有無
  • デマンド交通やコミュニティバスの路線や予約方法
  • 相談できる窓口(市町村、包括支援センターなど)

こうした「安心の材料」を用意しておくことが、対話の土台になります。


「返納させたい」という家族の気持ちは自然なものですが、“奪う話”ではなく“支える提案”として伝える準備ができてこそ、円滑な話し合いにつながります。

次章では、免許返納後の生活をどう支え、安心に変えていくか――その具体策をご紹介します。

免許返納後の生活を不安にしないために ― 代替手段の「準備」がカギ

高齢者にとって免許を手放すことは、単に「車に乗らなくなる」という話ではありません。
それは、これまで当たり前だった行動ができなくなる不安とも向き合うことを意味します。

だからこそ、返納を考える際に大切なのは、「その後の生活がどうなるか」を具体的にイメージできるようにすること
不安を取り除き、前向きな選択に変えるためには、“代わり”をきちんと準備してあげることが重要です。


公共交通を上手に使うために、事前の「慣れ」が大切

「バスは時間が合わない」「電車の乗り方がわからない」という声も多く聞かれます。
まずは、以下のような“予行演習”をしてみるのがおすすめです。

  • よく行く病院やスーパーまで、家族と一緒にバスで行ってみる
  • 路線や時刻表を一緒に調べる
  • ICカードの使い方を確認する(チャージ・乗車など)

これだけでも、「思ったより使えるかも」と安心につながります。


タクシーやデマンド交通の活用

運転に代わる移動手段として、タクシーやデマンド交通も有効です。

  • 【福祉タクシー】障害や要介護認定を受けている人が利用できる制度(補助制度のある自治体もあり)
  • 【デマンド交通】自治体に登録したユーザーが利用できる地域交通。自宅前まで来る場合も
  • 【迎車アプリ】スマホに不慣れな高齢者でも、家族が代行予約してあげれば安心

地域によって利用方法や補助金制度が異なるため、市区町村の高齢者支援窓口で情報を集めることが第一歩です。


外出しないでも、「宅配」「訪問」サービスを活用

運転をやめても生活の質を落とさないようにするためには、“自宅で完結できる”選択肢も積極的に取り入れましょう。

  • ネットスーパーや生協の食材宅配
  • 移動販売車(野菜・お惣菜・日用品)
  • 銀行・役所のオンライン化、代理対応

「これが使えるなら安心」と思ってもらえるだけで、返納への心理的ハードルは下がります。


家族の送迎体制を“ルール化”して負担を分散

「送り迎えをお願いするのが申し訳ない」と感じる高齢者は少なくありません。
だからこそ、家族内で“ルール”として取り決めることで、安心感が生まれます。

  • 通院は◯◯が対応
  • 買い物は週1回、△△が同行
  • 緊急時の連絡手順も明確に

「迷惑じゃない。みんなでちゃんと負担にならないように考えているから大丈夫」と伝えることが大切です。


実際に“1週間、車なしで過ごしてみる”体験

いきなり免許返納は難しくても、「試しに1週間、車を使わずに生活してみよう」と“シミュレーション”期間を設ける方法もあります。

  • 行きたい場所に公共交通や送迎で行けるか
  • 買い物や外出にどれだけ支障が出るか
  • 家族や地域のサポートがどこまで届くか

小さな“成功体験”を重ねることで、「返納しても暮らせる」という自信を持ってもらえます。


ほかにもセニアカーやスマートモビリティを利用するという方法もあります。これはまた別の記事で改めて詳しく紹介しようと思っています。

免許返納はゴールではありません。
その後の生活をどう支えるか――それを一緒に設計することが、家族の役割です。

次章では、高齢者本人が納得しやすくなるための「伝え方」「声かけ」について、さらに具体的に紹介します。

高齢者に免許返納を納得してもらうための伝え方 ― 円満に話し合うための工夫

「免許を返納してほしい」と思っても、伝え方を間違えると、
「自分を否定された」と感じさせてしまうことがあります。

大切なのは、相手の立場に立ち、プライドを傷つけずに伝える工夫をすること。
この章では、高齢者が“自分で考え、納得して決断できる”ように導く伝え方を紹介します。


NGワード:「危ないからもうやめて」「もう年なんだから」

こうした言葉は、たとえ心配から出たものであっても、本人にとっては「頭ごなしの命令」や「人格否定」に聞こえてしまうことがあります。

特に長年無事故で運転してきた方ほど、「信用されていない」「まだできるのに」と反発しやすくなります。まずは相手を尊重する姿勢を重視しなければいけません。


✅ OKワード:「最近ちょっと心配で…」「一緒に考えてもらえないかな?」

相手の立場を尊重した“お願い”の形にすると、ぐっと聞いてもらいやすくなります。

  • 「私たち家族の安心のためにも、一度一緒に考えてみてくれる?」
  • 「最近ニュースで事故が増えてるって見てね。お父さんのことも心配で…」
  • 「◯◯さんはこうしてたらしいよ。うちはどうだろう?」

命令ではなく、“対話”と“共有”に変えることがポイントです。


第三者の力を借りるのも有効

身内の話だと感情的になりやすいという場合は、信頼できる第三者に協力を頼むのも一つの方法です。

  • ケアマネジャーや訪問リハビリスタッフ、かかりつけ医
  • 交通安全協会、警察の運転適性相談
  • 信頼できる友人、免許の返納をした経験者

特に医師からの「やめた方がいい」という助言は、本人も受け入れやすくなります。

また、実際に免許を返納して現在生活している人から、今の生活の様子を聞いてみるのもいいでしょう。
また、娘や息子に対してはかたくなになってしまう高齢者も、孫の話は聞いてくれるという例も少なくありません。誰から話すのが一番効果的か、人それぞれで異なります。家族で相談してみましょう。

訪問リハビリのサービスを利用している場合は、作業療法士・理学療法士に現在の機能・能力を客観的に分析をしてもらい、運転の適性があるか相談してもいいでしょう。


データやメリットを「見せる」

感情的に訴えるだけでなく、具体的な情報を見せることで、現実的な判断材料になります。

  • 年齢別の事故率
  • 車の維持費とタクシー・デマンド交通費の比較
  • 運転経歴証明書でもらえる地域特典(割引・優待など)

→「こんなに負担が減るなら」「返納しても意外と困らないかも」と思ってもらえる可能性が高まります。


タイミングと環境を工夫する

話し合いのときは、以下のような“配慮”も大切です。

  • 家の中で落ち着ける時間帯を選ぶ(体調が良いとき)
  • イライラしているとき、急いでいるときは避ける
  • 他の家族と一緒に「一対一にならない」形にする

また、一度で説得しようとせず、何度かに分けて対話を重ねる方がうまくいくケースも多いです。


🎗 最終的には「本人が決める」ことを尊重

どんなに家族が準備をしても、最終的に決めるのは本人自身です。
その判断を支え、寄り添うスタンスを忘れずに持ち続けましょう。

もし「まだやめたくない」と言われた場合は、

  • 今後の約束(夜間運転を控える・長距離を避ける・雨の日の運転は避けるなど)を取り決める
  • 定期的に話し合いの場を設ける
  • 一時的に“様子を見る”ことも選択肢

というように、“今すぐ”にこだわらない段階的なアプローチも有効です。

免許返納の手続きと高齢者が知っておきたいメリット・デメリット

本人の気持ちが少しずつ前向きになってきたら、次は「具体的にどう進めるか?」を一緒に確認していくステップです。

この章では、免許返納の方法と手続き、そして返納によって得られるメリットと、気をつけたいデメリットについてわかりやすくまとめます。


📝 免許返納の基本情報 ― どこで?何が必要?

▶ 自主返納ができる場所

  • 警察署(運転免許窓口)
  • 運転免許センター

▶ 持ち物

  • 本人の運転免許証
  • 印鑑(必要な場合あり)
  • 顔写真(証明書を希望する場合)
  • 手数料(証明書発行時のみ)

▶ 同時に申請できる「運転経歴証明書」

  • 公的な身分証明書として使える(有効期限なし)
  • 地域によって買い物・タクシー・施設利用の割引など、特典多数
  • 返納と同時でないと申請できない点に注意!

✅ 免許返納のメリット ― 安全・経済・精神の3つの安心

分野メリット内容
🛡 安全面事故のリスクから解放され、家族も安心できる
💰 経済面維持費(ガソリン、保険、車検、税金など)を年間30~50万円節約できることも
🌱 精神面「事故を起こすかも」という不安や緊張感から解放される

🎁 運転経歴証明書で使える地域特典の例(※自治体により異なります)

運転経歴証明書を持っていると特典が受けられる場合があります。

  • スーパーやドラッグストアでの5〜10%割引
  • 地域バスやタクシーの割引チケット
  • 美容室・温泉施設・文化センターの利用優待
  • 住民票の写し等の発行手数料無料化

「返納してよかった」と思えるような特典が、実はたくさん用意されています。調べてみましょう。


⚠️ 気をつけたいデメリット ― でも対策はできる

デメリット内容対策アイデア
移動の不便さ代替手段(交通・宅配・訪問サービス)を事前に準備
行動範囲の縮小趣味や交流の場を増やし、外出支援・家族の送迎で補完
社会的な孤立感地域活動、デイサービス、ボランティアなどで社会参加を継続
自尊心への影響感謝と尊重を伝え、証明書や役割の再発見で「価値の再確認」を支援

免許を手放すことで確かに失うものもあります。
しかし、その代わりに得られる「安心・自由・支援」はとても大きなものです。

大切なのは、「失ったもの」に目を向けるだけでなく、「これから得られるもの」に気づいてもらうこと

どうしても免許返納の話し合いが進まない…そんなときの相談先と最終手段

家族がどれだけ丁寧に準備しても、伝え方に気をつけても、
「絶対に運転はやめない」「返納する理由がない」と強く拒否されることもあります。

そんなとき、無理に押し切るのではなく、第三者の力を借りることが解決の糸口になるかもしれません。


一人で悩まないで ― 相談できる専門窓口

以下のような公的機関では、高齢者の運転に関する不安や返納についての相談を受け付けています。

相談先内容
地域包括支援センター家族・本人双方の不安を聞いて、制度や支援のアドバイスをしてくれる総合窓口
市区町村の高齢者福祉課地域の福祉サービス、外出支援、返納者特典などの情報提供
警察署の運転相談窓口「運転適性相談」を予約制で実施。運転技能チェックや助言が受けられる
交通安全協会講習やイベントを通じて運転継続の可否について考える機会を提供

「家族だけでなんとかしよう」と抱え込まず、専門機関に“話すだけ”でも前進につながります。すぐには解決につながらなくても、話をすることで整理されることや、今後の方向性が見えることもあります。


認知機能の低下が疑われる場合は、医療機関の受診を

「判断力が明らかに落ちている」「事故を起こしたのに本人が覚えていない」といったケースでは、
早めにかかりつけ医や認知症専門医を受診することが大切です。

医師が「運転は危険」と判断すれば、以下の対応も可能になります。

  • 運転免許センターへの診断書提出
  • 警察による免許の停止・取り消し手続き(一定条件下で可能)

本人の体調・病状を冷静に見つめなおすためにも、医療の視点を入れることはとても有効です。


運転継続を認めつつ「一定のルール」で妥協する選択肢も

どうしても返納に同意しない場合、段階的な妥協策として以下を提案する方法もあります。

  • 夜間・雨天・長距離運転は控える
  • 高速道路・知らない道は使わない
  • 家族が同乗・同伴する
  • 一定期間内に再度話し合うと約束

完全な拒否ではなく、「一部制限付きで運転を継続」する道を選ぶことで、本人の納得感が得られることもあります。


最後に大切なのは「家族の信頼関係」

免許返納は「正解か不正解か」ではなく、
これからの生活を家族とどう築いていくかという長期的なテーマです。

時間をかけて、対話を重ねていくなかで、
「運転に頼らなくても暮らせる」「家族がそばにいてくれる」という実感が持てたとき、
ようやく本人が納得して一歩を踏み出せるのかもしれません。

チェックリストで免許返納の準備状況を確認

免許返納に向けて、何をしたらいいのか。その準備状況を可視化できるチェックリストを用意しました。ぜひ試してみてください。

高齢者免許返納チェックリスト

高齢者免許返納 家族チェックリスト

STEP 1:本人の状況と気持ち

STEP 2:生活設計の準備

STEP 3:話し合いと伝え方

STEP 4:手続きと制度理解

STEP 5:話が進まない場合の備え

免許返納に関するよくある質問

相談者
相談者

父はもう要支援2の認定を受けているのですが、まだ車を運転しているんです。認知症はないし、視力もそこまで問題ではないのですが、やはり反射神経や注意力は確実に落ちていると思うんです。認定を受けた人は当然返納すべきですよね。

いえケア編集部
いえケア編集部

介護認定を受けていること自体が免許返納の義務にはなりません。要支援でも要介護でも運転をされている方もいます。
ただし、要介護の程度や認知機能、身体能力によっては、安全な運転が困難な場合があるため、医師やケアマネジャーも含めて相談するといいでしょう。

相談者
相談者

運転しなくなることで外出機会が少なくなってしまうのが心配です。車の運転だけが楽しみのような人だったから。閉じこもりになってしまうのではないでしょうか。

いえケア編集部
いえケア編集部

車を運転しなくなって、外出機会が急激に減って運動機能が低下してしまう、閉じこもりになってしまうという方も実際います。
運転免許を返納することと、そのあとの生活をどのように描くかはセットで考えることが大事です。デイサービスで運動しようとか、近所の集まりに出かけるとか、歩いて行ける場所で楽しみを見つけるとか、そういった話し合いもしていけるといいですね。

相談者
相談者

高齢者講習で不合格になるだろうと思っていたら合格だった。免許の返納はしばらくあきらめた方がいいんでしょうか。

いえケア編集部
いえケア編集部

高齢者講習でも運転技能検査に該当しない方は認知機能の検査と座学・実車指導程度なので、厳格な運転技能の試験を行うわけではありません。とっさの反射神経や集中力の低下、運動機能の低下による運転のリスクが高まっている可能性までは判断できない場合も多いです。
よく相談しながら、安全な運転が難しいと思われる場合はよく相談しましょう。

免許返納は“終わり”ではなく、“新しい生活”のスタート

高齢者にとって車の運転は、単なる移動手段ではなく、自立や社会とのつながりの象徴でもあります。
だからこそ、免許返納の話題はときにデリケートで、家族の思いがすれ違ってしまうこともあるでしょう。

しかし、運転に潜むリスクを冷静に見つめ、
本人の気持ちに寄り添いながら、返納後の生活を一緒に「準備」していくことができれば、
それは家族にとっても本人にとっても、大きな安心につながります。

この記事やチェックリストが、免許返納という選択肢を前向きに受け止めるきっかけとなり、
新しい暮らしをデザインする第一歩となることを願っています。

いえケアロゴ

この記事を執筆・編集したのは

いえケア 編集部

在宅介護の総合プラットフォームいえケアです。
いえケア編集部では主任介護支援専門員としての地域包括支援センター相談員や居宅介護支援事業所管理者などの介護分野での経験を活かし、在宅介護に役立つ記事を作成しております。
運営会社:株式会社ユニバーサルスペース


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