いえケア 編集部
在宅介護の総合プラットフォームいえケアです。
いえケア編集部では主任介護支援専門員としての地域包括支援センター相談員や居宅介護支援事業所管理者などの介護分野での経験を活かし、在宅介護に役立つ記事を作成しております。
高齢者の在宅生活を支えるサービスは、介護保険だけではありません。特に最近注目を集めているのが、便利で使いやすい「高齢者向け配食サービス」です。
「どの業者を選べばいいの?」「費用はどのくらい?」「介護保険は使えるの?」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。配食サービスは高齢者の食生活をサポートするだけでなく、家族の負担を軽減する心強い味方です。
この記事では、配食サービスの選び方や賢い利用方法、節約術まで詳しく解説します。初めて利用する方も、すでに使っている方も、ぜひ参考にしてください!
【この記事をおすすめしたい人】
- 介護が必要なご家族の食事の準備が大変だと感じている方
- 買物に行くことが大変になり、食事の確保に問題を抱えている方
- 家族の栄養バランスの取れた食事がとれていないことを心配している方
【この記事に書いてあること】
- 高齢者向け配食サービスのメリットとデメリット
- 配食サービス業者の選び方
- 配食サービスにかかる費用と賢い節約術
高齢者向け配食サービスとは?食事の提供方法と特徴、介護保険との関係
高齢者向け配食サービスは、高齢者や介護が必要な方々に、栄養バランスの取れた食事を提供するサービスです。外出が難しい、調理が困難などの理由で自炊が難しい高齢者にとって、配食サービスは非常に便利なサービスとなっています。
配食サービスの需要は年々増え続け、いまや在宅向けの配食サービス市場は1500億円とも言われています(*1)。これは高齢者人口が増えているというだけでなく、一人暮らし高齢者や高齢者のみの世帯が増えていることが大いに影響しています。令和5年版の高齢者白書によると、高齢者単独世帯は65歳以上の者がいる世帯のうち28.8%、高齢者夫婦のみの世帯が32.0%となっています(*2)。高齢者のみの世帯が増えることで、買物や調理が困難になり、配食サービスを活用する世帯が増えていることがわかります。
特にフランチャイズ形態で展開する業者が増えています。
ここからはますます市場を拡大する配食サービス・在宅向け食事サービスについて詳しく説明していきます。
高齢者向けの配食サービスと給食の違いを理解しよう
「配食」とよく似た言葉で「給食」があります。よく似たこの2つの言葉の意味の違いを確認しましょう。
給食は特定多数人に対して、給食センターや給食室などで調理された食事を提供するサービスです。学校や企業・施設などで利用されるものです。自宅へ届ける給食サービスもありますが、給食の場合は食事の提供場所に定めはありません。
配食は個人宅など個別に住まいに届けてくれる食事サービスです。高齢者向け配食サービスは個別の利用者に合わせて、病気や健康状態に合わせて適切な栄養バランスの食事を提供しています。また、利用者の嚥下能力(飲み込み)に配慮し、食べやすく、安全性の高い食事を提供するものです。
配食と給食には以上のような違いがあります。
配食サービス以外にも、食事サービス、食事宅配サービス、宅配食など、様々な名称が使われています。
似た言葉で、「宅食(タクショク)」という言葉もよく耳にしますが、こちらは「ワタミ株式会社」が運営する「ワタミタクショク」が語源になっており、商標登録もワタミ株式会社が有しています。もともとは、タクショクという会社が高齢者向けの弁当の製造と配達を行っていたのですが、これを2008年にワタミ株式会社が買収し、子会社化。2009年に社名を変更しワタミタクショク株式会社となりました。
一般的に配食ではなく、宅食という言葉が使われることもありますが、タクショクという言葉は厳密には「ワタミタクショク」のサービスを意味するものですので注意しましょう。
高齢者向け配食サービスの利用条件と注意点
高齢者向け配食サービスを利用するには、一般的な条件として以下のような要件がありますが、地域やサービス業者によって条件は異なる場合がありますので、詳細は確認が必要です。
- 高齢者であること(年齢に制限を設けない業者もあります)
- 健康状態や嚥下能力に応じた食事の提供が可能であること
- サービスの提供範囲内に居住していること
- 利用料金の支払い能力があること
注意点としては、以下のような点が挙げられます。
- 利用者の好みや健康状態・嚥下機能に合った食事の提供が可能か、事前に確認することが重要です。
- 利用料金や利用方法、解約条件などについても事前に確認し、納得のいく利用プランを選ぶことが大切です。
- 配達の時間帯や頻度なども考慮して、利用者の生活リズムに合わせた利用を検討しましょう。
高齢者向け配食サービスは、高齢者やご家族にとって大変重要なサービスであり、利用者の健康や生活の質を向上させる手段として幅広く利用されています。ただし、利用する際には利用条件や内容をよく理解し、適切なサービスを選ぶことが大切です。
配食サービスは介護保険適用外
よく質問を受けるのですが、配食サービスは介護保険のサービスではありません。そのため、サービスの利用料金は全額自己負担となります。ただ、負担限度額など制度の上限・利用枠があるわけではないため、制限なく利用ができます。また、市町村等自治体が、一人暮らし高齢者または低所得者向けに、配食サービスの料金助成を行う場合もあります。詳細は記事後半に記載していますのでご参照ください。
介護保険の適用がないので、要介護・要支援などの介護認定が出ていない方でも利用できます。なので、同居家族分も一緒にお願いするなどの使い方もできます。
では、次の章では具体的に配食サービスを利用するメリットについて解説します。
高齢者向け配食サービスのメリットとは
高齢者向け配食サービスを利用するメリットを5つ紹介します。
外出困難な方でも安心して食事を摂れる
配食サービスでは、高齢者や介護が必要な方が外出することなく、おいしい食事を自宅で手軽に受け取ることができます。
近隣にスーパーやコンビニなど、買い物をする場所がなく、移動が困難な場合でも、配食サービスを利用することで外出することなく食事を確保できます。外出することによる転倒のリスクを軽減することができます。特に、買い物をした後は重い食材を持ったまま移動しなければいけないため、方手がふさがり、バランスも悪化するため、さらに転倒のリスクが高まります。配食サービスを利用することで、外出時の転倒や事故を心配することもありません。
病気や身体の不自由な方でも、専門のスタッフが美味しくて栄養満点の食事を届けてくれるので、安心して食事を楽しむことができます。
栄養バランスの整った食事で健康管理が可能
配食サービスでは、管理栄養士や栄養士、料理の専門家が考えたバランスの取れた食事を提供しています。一日の摂取目安となるカロリーや栄養素に合わせて献立を考えて提供しています。健康維持に必要な栄養素がしっかりと含まれているので、健康をサポートすることができます。
高齢者のみの世帯での食生活は栄養が偏りやすい傾向があります。料理をする負担感が大きく、毎回の食事の品目数が少なくなるため、不足する栄養素が出てきます。また、加齢に伴って味覚が低下することにより、塩分の味付けが濃くなりやすい傾向もあります。このような高齢者特有の食事習慣を改善することで、食事を確保するだけでなく、栄養面から状態改善につなげることができます。
適切に管理されたバランスのいい食生活を送ることで、健康を維持することができます。
病態に合わせた食事の提供が可能
病気の進行予防・合併症予防のため、病態に合わせた食事ができます。
利用者の持病によって、食事内容にも注意が必要です。多くの高齢者は介護状態にあるかどうかに関わらず、何らかの持病を抱えています。
例えば、高血圧。日本人は高血圧患者が多く、日本人のおよそ1/3である4300万人は高血圧に該当すると言われています(*3)。その比率は高齢者の方が多く、また合併症を持っている割合も高くなっています。高血圧の治療には食事制限が重要です。塩分の摂りすぎは高血圧リスクを高めます。食塩に含まれるナトリウムが体内に多く取り込まれると、水分を体内に多く蓄えようとする働きが加わり、浮腫みやさらなる血圧の増加につながります。また、心臓にかかる負担も大きくなります。
また、腎臓病の方にはカリウムを制限することも必要になります。
飲んでいる薬によっても禁忌となる食品がありますので、注意が必要です。
このように利用者によって個別に食事内容の調整が必要です。配食サービスは個人の病気などの情報をもとに、適切な食事を提供しますので、病気の悪化・治療に大いに役立ちます。
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嚥下や咀嚼の問題を解消する
高齢になると嚥下(飲み込み)や咀嚼(かむこと)の力が衰えます。これは口まわりや喉・肩などの筋力の低下により、食べ物を口腔内でうまく処理できない、もしくは食堂内に上手に送り込めないなどの障害が起きることで、最悪の場合命を失ってしまうこともあります。誤嚥性肺炎によって年間5万人以上の方が亡くなっており、その多くは高齢者です(*4)。
こうした嚥下や咀嚼が困難な方を対象に、配食サービス業者は食べやすいように加工された食事を提供しています。やわらかく調理するだけではなく、細かく刻んだり、ミキサーでつぶしたり、ペースト状にしたり、ムース状にしたりと、利用者の状態に合わせて様々な形態に調理を行っています。最近は見た目にも楽しめるよう本来の食事の姿に近い状態に見せる工夫も進んでいます。
配食サービスによる安否確認
配食サービスでは、食事の提供のため、担当者が利用者のもとを訪れます。この時に、利用者の様子や健康状態を確認し、安否を把握することができます。手渡ししているのに応答がない、扉が開かない、本人がいない、体調を崩し倒れている、などのトラブルにも気が付くことができます。
安否確認も兼ねて配達を行う業者が多く、何か異変があった場合は緊急時の連絡先を指定しておくこともできます。
特に一人暮らしの方の場合、何かトラブルがあった場合には早めに対応できるため、食事だけでなく、安否確認による安心も得ることができます。
5つのメリットを紹介しましたが、配食サービスの便利さ・重要さを感じることができます。高齢者や介護を必要とする方々の生活をサポートし、健康と安心を提供する配食サービスは、地域社会にとっても大変重要な存在です。
高齢者向け配食サービスのデメリットとは
高齢者向け配食サービスには、以下のようなデメリット・注意点があります。利用する前に理解しておくことをお勧めします
配食サービスは保険適用外・費用がかかる
高齢者向け配食サービスには、利用料金がかかります。
在宅介護の高齢者向けサービスとはいえ、介護保険の適用サービスではないため、配食サービスの費用は全額自己負担となります。ただ、市町村によっては配食サービスを市町村の行政サービスとして費用を一部助成している場合もありますので、詳しくは市町村やケアマネジャー・地域包括支援センターなどに確認することをお勧めします。
費用の補助が得られたとしても、毎日の定期的な利用となると費用も大きくなりますので、経済的な負担はかかります。
価格はサービス内容やメニュー、利用回数などによって異なりますので、十分な情報収集が必要です。毎食利用するのか、それとも一日一回にするのか。利用頻度や内容は家計とのバランスを考えて決める必要があります。利用する際には、料金と提供される食事の内容を比較し、自分や家族の予算やニーズに合った選択をしましょう。
個々の趣向に合ったメニュー選択の重要性
配食サービスでは基本的には毎月の予定によって決められたメニューが提供されます。しかし、個人の好みやそれまでの食習慣によって、食べたい食事は変わります。食事は心身の健康を支える大切な要素であるだけでなく、食べることは数少ない大きな楽しみでもあります。
配食サービスを利用する場合は、食べたくないものや苦手な食べ物が食卓に並ぶこともあり得ます。せっかく配食サービスを利用したはいいけれど、何も食べたくない、というのでは意味がありません。
配食業者によっては、アレルギーなどではなくても、食べたくない食材・苦手な食材に配慮して代替の食品を用意してくれるところもあります。まずは配食サービス業者と相談し、好みや苦手などの要望を伝えることが大切です。
飽きることを防ぐための工夫が必要
配食サービスは毎日違うメニューが提供されますし、業者も食材や味付け・見た目などいろいろ工夫を凝らしています。でも、食べ物の飽きが生じることがあります。どうしても薄めの味付けになりやすく、毎日の配食サービス利用となると、届く食べ物が毎日同じようなものに思えてしまい、飽きてしまいます。
飽きを防ぐためには、配食サービス業者とコミュニケーションを取り、時々は配食サービス以外の食事を食べることも有効です。出前を頼んだり、レトルト食品を食べたり、誰かに食事を買ってきてもらうというのもひとつの方法です。また、食事だけでなく、食卓の雰囲気を工夫したり、誰かと一緒に食べるなど、飽きを防ぐ方法もあります。
これらのデメリット・注意点について、理解して工夫を重ねることで、高齢者向け配食サービスの利用をより満足度の高いものにすることができます。
高齢者向け配食サービスの種類と特徴
高齢者向け配食サービスにも様々な種類があります。
食品の状態(常温・冷凍)
配食サービスで届けられる食品は常温(温かい)の状態で届けられる弁当と、冷凍・チルドの状態で届けられる弁当の違いがあります。
それぞれのメリットデメリットを紹介します。
メリット | デメリット | |
常温 | 安否確認をしてもらえる 毎日コミュニケーションができる レンジが扱えなくてもすぐ食べられる | 長期間保存ができない 毎日配達にあわせて自宅にいなければいけない |
冷凍 | まとめて配達してもらえる 保存ができるのでいつでも自分の好きなタイミングで食べることができる その日の気分で食べるものを選べる | 毎日の安否確認ができない レンジを使えないと食べることができない |
特に注意しなければいけないのは安否確認です。
毎回配達をする常温の配食サービスの場合は、置き配にしない限りは毎回手渡しで安否確認をすることができます。スタッフが本人の様子を確認することができるので、特に一人暮らしの高齢者へのサービスとして有効です。
冷凍の場合は一週間分の食事をまとめて配達する場合が多いです。つまり、配達の回数は週に一回。毎日の安否確認をすることができません。
安否確認を目的に利用するのであれば常温の配食サービスを選ぶことをお勧めします。
自分でも調理ができるという方は、冷凍の配食サービスを併用することをお勧めします。
体調が悪いときや、調理ができないときには冷凍でストックしておいた配食の弁当を食べることもできます。毎日の調理にかかる負担を軽減することができます。
メニューの種類
配食サービス業者によって病態食メニューの種類が異なります。
業者によって名称などは異なりますが、具体的には以下のようなメニューを選択することができます。
- 普通食
- カロリー制限食・糖尿病食
- 腎臓病食・たんぱく調整食
- 透析食
- ムース食
- カロリー多め(若い人向け)
病態に応じて、病院から一日の塩分やカロリーなどの制限がある場合は、それに応じた食事メニューを選択しなければいけません。
また、食事を選ぶときには咀嚼や嚥下の能力に合わせて、食事の形態を選択する必要があります。食事の形態には以下のようなタイプがあります。
- 普通食
- 一口大
- 刻み
- ミキサー
- ペースト
ご飯のタイプも選択することができます。
- 軟飯
- お粥
- ペースト
飲み込みなどに不安がある方は、ご家族のほか、訪問看護師等の専門職に相談して決めることをお勧めします。また、途中で食事の形態などを変更することもできます。飲み込みの力が落ちたらお粥やペースト食に変更することも可能なので、状態が変わったらその都度検討していくといいでしょう。
高齢者向け配食サービスの業者も増えていますので、地域によっては多数の業者から選択することができます。業者によって対応できるメニューの種類が異なりますので、希望する内容に対応できる業者を選びましょう。
容器の違い
業者によってお弁当の容器が異なります。
容器を洗って翌日回収するタイプと、使い捨て容器の場合があります。
また、レンジで直接あたためができるタイプと、別の容器に移し替えて暖めなければいけないタイプがあります。
容器の見た目・材質も業者それぞれで異なります。
高齢者向け配食サービス業者の選び方
実際に高齢者向け配食サービスを利用する方法を紹介します。
ケアマネジャー・地域包括支援センターの紹介
ケアマネジャーや地域包括支援センターは、地域の配食サービスの情報を持っています。実際、配食サービスの利用はケアマネジャーや地域包括支援センター経由でスタートすることが多いです。
ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談すると、配食サービスの業者を紹介してもらうことができます。食事の形態やアレルギー、回数の希望などの情報をケアマネジャーや地域包括支援センター経由で配食サービス業者に伝えてくれます。業者複数のパンフレットを見せてもらうことができますので、比較することができます。ケアマネジャーや地域包括支援センターの職員にどんな業者か情報を聞くこともできます。配食サービス業者がケアマネジャーや地域包括支援センターを対象に試食会を開催することもありますので、実際食べてみた感想などを聞くことができるかもしれません。
また、ケアマネジャー経由での紹介の場合、初回利用はお試し利用として無料になる業者も多いです。そのほかにも、市町村で配食サービスの助成に対応している業者についての情報を教えてもらえるというメリットもあります。
インターネットで検索する
インターネットで配食サービス業者を検索することもできます。
配食サービスの大手事業者なども多数ありますので、自宅の住所が対象エリアかどうかを確認するといいでしょう。
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配食サービスの業者一括検索を行うサイトもありますので、料金を比較して決めることもできます。以下のサイトは全国の配食サービス業者を検索できるサイトですので、まずは試しにどんな業者があるのか調べてみましょう。
インターネット経由で注文する方も増えています。ただ、メニューの内容や利用条件などしっかり確認してから利用申し込みをすることをお勧めします。
ケアマネジャーと地域包括支援センターに紹介してもらう場合と、インターネット検索で申し込む場合で、メリット・デメリットの比較を以下の表にまとめましたのでご参照ください。
メリット | デメリット | |
ケアマネジャー・地域包括支援センター経由で申し込み | 初回お試し無料で利用も 市町村の助成制度の情報 代理で申し込みしてもらえる | 情報の取り寄せに時間がかかる場合も すべての業者の情報を網羅できない場合も |
インターネット検索サイトから申し込み | より多くの業者から選択できる 料金の比較がしやすい | 自分で選択・申し込みしなければいけない 市町村の助成を受けにくい |
配食サービスにかかる費用について
高齢者向け配食サービスを利用する場合の費用について解説します。
1食あたりの金額や支払い方法を確認しよう
1食あたりの金額は業者によって異なります。料金の違いはパンフレットなどで確認しましょう。
特に、病態食を注文する場合は料金が高くなります。そのほか、大盛にすることで料金が上乗せになる場合もあります。必ず料金表を確認しましょう。
冷凍の配食サービスは食事の料金に加え、配送料がかかる場合もあります。食事の料金以外にかかる費用がないか確認しておきましょう。
支払い方法は複数の方法から選択することができます。
現金払いの場合は一か月まとめ払いのパターンが多いです。他に、銀行振り込みや口座引き落としなど、業者によって利用できる支払方法が異なります。
一食の目安はおよそ500円から700円くらいの金額になります。病態食になると高くなります。一回当たりの負担はそれほど大きくないとしても毎食利用するとかなり大きな金額になりますので注意が必要です。
費用を抑えるための節約術や補助制度
高額になりやすい配食サービスの費用を抑えるための節約術を紹介します。
ご飯は自分で炊く
もし自分で炊飯ができる方は、ご飯だけは自分で炊くことをお勧めします。おかずだけの配達にすると、費用が安く済みます。一回あたり、ご飯ありとなしでは50円近く料金が変わります。一か月30日間、昼と夜の2食を注文した場合、ご飯ありよりもご飯なしの方が3000円分安くなります。もし夫婦で利用していたとすれば6000円分安くなります。
お米代を差し引いたとしても、だいぶ食費を節約することができます。
市町村の助成制度を利用する
市町村で配食サービス利用の助成制度がある場合は活用しましょう。選べる業者は少なくなりますが、若干料金の補助を受けることができます。
利用にあたって、非課税世帯や所得の低い世帯であることや、ひとり暮らしであることなど、対象となる条件がありますので、ケアマネジャーや地域包括支援センターに確認しましょう。一例として、神奈川県相模原市の給食サービスを紹介します。
給食サービス
食事の支度が困難な高齢者などに、週4回以内、昼食または夕食を自宅までお届けします。
- 城山・津久井・相模湖・藤野地区:月曜日・火曜日・木曜日・金曜日の昼食
- 上記以外の地区:月曜日・火曜日・木曜日・金曜日の夕食
対象
自ら食事の支度をすることが困難であり、かつ、家族等から食事の提供が受けられない状況で、次のいずれかに該当する人
- 介護保険法の要介護又は要支援の認定を受けている人
- 基本チェックリストに該当する65歳以上の人(事業対象者)
- 60歳以上のひとり暮らし高齢者及び高齢者夫婦等の世帯で、事業対象者に準ずる人
- 身体障害者手帳及び精神障害者保健福祉手帳の交付を受けており、1級又は2級に該当する人
- 療育手帳の交付を受けており、A1又はA2に該当する人
利用料金
1食当たり500円
申請窓口
高齢者の人は、地域包括支援センターまたは以下の窓口でお問い合わせ・相談・受付を行っています。障害者の人は、以下の窓口でお問い合わせ・相談・受付を行っています。
レトルト食品などを使って自分で用意する日も
配食サービスを毎日だと飽きてしまいます。毎日は難しくても週に何度かは自分で料理を準備するというのもひとつの方法です。
「土日の昼はそうめんをゆでる」なんてのも自立支援にもつながっていいかもしれません。レトルト食品も安くておいしいものが増えていますので、家族が来た時にたくさん買ってきてもらい、週に一回はレトルト食品を食べるというのもいいかもしれません。
配食に飽きるのを防ぐことと、自立支援、家計の節約という効果につながります。
配食サービス以外の食事にするときには、配食サービス業者にキャンセルの連絡をする必要があります。サービスをキャンセルできる時間が決まっていますので、忘れないようにしましょう!
配食サービス利用者の声
一人暮らししている父が利用しています。最初はあまり気が進まなかったようですが、お医者さんにも勧められて利用開始しました。文句を言いながら利用していましたが、熱中症で体調を崩していた時に配達の方が異変に気が付いて、私とケアマネさんに連絡をしてくれて助かりました。利用していてよかったと思います。
ケアマネさんに勧められて取り始めました。おいしかったので、毎日頼んだけれど、さすがに飽きてしまって・・・。毎日違うものが届くんですけど、似たように思えてきてしまって。自分で作れるときは自分で作ろうと思って、デイサービスの日は作る時間がないので配食弁当をお願いして、それ以外の日は自分で作るようになりました。
妻が入院して一人になってしまったので困っていた。ケアマネと息子に勧められて弁当を頼んだ。妻が退院するまではと、毎日配食弁当を食べていたら、血液検査の数値がよくなったと医者にも褒められた。今までの食事は塩分が多すぎたんだとわかった。今度、妻が退院するのだが、もうしばらくは弁当を続けた方がいいのか迷っている。
まとめ
高齢者向け配食サービスについて紹介しました。
一人暮らしの高齢者が増えており、食事の確保・安否確認をしてくれる心強いサービスです。食事は大きな楽しみでもあり、健康の源でもあります。自分に合った配食サービスを利用して、健康管理をしていきましょう。
参考資料
*1 高齢者向け食品の市場規模と2025年予測(Care Show Japan)
*2 令和5年版高齢者白書(65歳以上高齢者のいる世帯数及び構成割合)
この記事を執筆・編集したのは
いえケア 編集部
在宅介護の総合プラットフォームいえケアです。
いえケア編集部では主任介護支援専門員としての地域包括支援センター相談員や居宅介護支援事業所管理者などの介護分野での経験を活かし、在宅介護に役立つ記事を作成しております。
(運営会社:株式会社ユニバーサルスペース)
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