記事のポイント
- 厚生労働省の専門家部会が、エーザイとバイオジェンが共同開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の製造販売承認を了承した。
- レカネマブはアルツハイマー病患者の脳内に蓄積する異常なたんぱく質を取り除くことで認知症の進行を抑制する効果がある。
- 専門家部会は臨床試験での効果を評価し、副作用に関するリスク管理を要求。
- アメリカでは既に治療薬として承認されており、日本でも正式承認を待つ段階。
日本の厚生労働省の専門家部会は、製薬大手エーザイと米バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の製造販売承認を21日に了承しました。この薬は、アルツハイマー病の進行を抑制する初の薬として注目を集めており、厚労省の正式承認を経て、年内にも実用化される見通しです。
レカネマブは、アルツハイマー病患者の脳内に蓄積する異常なたんぱく質「アミロイドβベータ」を取り除き、認知機能の低下を遅らせる効果を持つ治療薬です。臨床試験では、薬を18カ月投与した患者において、偽薬を使った患者と比べて、症状進行が27%抑制されたことが確認されました。しかし、副作用として脳の腫れや微少出血も認められたため、専門家部会はリスク管理のために投与した患者の全例調査を条件としました。
アルツハイマー病は認知症の主な原因であり、脳内のアミロイドβたんぱく質の蓄積が神経細胞の傷つきや脳の委縮を引き起こすと考えられています。レカネマブはこのたんぱく質を除去することで症状の進行を遅らせる可能性があります。アルツハイマー病は日本でも深刻な問題であり、高齢者の認知症の67%を占めています。治療薬の承認を受ければ、認知症治療の大きな進展が期待されます。
出典
時事通信社
読売新聞オンライン
編集部より
認知症の原因疾患として最も多いとされているアルツハイマー病の治療薬「レカネマブ」が承認されました。アルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドβたんぱくを取り除く効果が期待されています。
ただ、薬事承認には疑問の声も。
偽薬と比較した実験にもそこまで大きな差が見られなかったこと、軽度の脳出血や脳浮腫のリスクがあること、薬の価格の高さなどが指摘されています。
認知症の初期段階、軽度認知症の方にしか効果が認められないとされています。不安や疑問もありますが、認知症初期段階からの対応が大事ということが社会に広く認知されることは大きな意味があります。
この記事を執筆・編集したのは
いえケア 編集部
在宅介護の総合プラットフォームいえケアです。
いえケア編集部では主任介護支援専門員としての地域包括支援センター相談員や居宅介護支援事業所管理者などの介護分野での経験を活かし、在宅介護に役立つ記事を作成しております。
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