小規模多機能型居宅介護のメリット・デメリット。おすすめしたい人は?わかりやすく解説(2024年報酬改定版)

小規模多機能ってどんなサービス 介護コラム

この記事を監修したのは

介護認定審査会委員/株式会社アテンド代表取締役

河北 美紀

小規模多機能型居宅介護は、地域の中で暮らすことを望む高齢者を支えるために生まれたサービスです。特徴は、様々な介護ニーズをワンストップかつ柔軟に解決できることです。今回は、小規模多機能型居宅介護の特徴や他サービスとの違い、どのような人におすすめできるのかをご紹介していきます。この記事を読めば、小規模多機能型居宅介護の内容を理解し、利用について具体的に検討できるようになります。ぜひ最後までご覧ください。

★こんな人に読んでほしい!

  • 小規模多機能型居宅介護を勧められたけど、詳しくはわからない方
  • もう少し自由度高く在宅介護サービスを利用したい方
  • アットホームな雰囲気が好まれる方

★この記事で解説していること

  • 小規模多機能型居宅介護とは、通い・訪問・宿泊の3つを総合的に提供するサービス
  • 小規模多機能型居宅介護は、要支援1から利用できる
  • 小規模多機能型居宅介護の料金は、定額制である
  • 小規模多機能型居宅介護のメリットは「地域性豊かな距離感の近さ」「柔軟性と臨機応変性」「分かりやすさ」「安心感」
  • 小規模多機能型居宅介護のデメリットは「ケアマネを選べない」「他のデイサービス・ヘルパー・ショートステイが使えない」「宿泊は別途料金がかかる」
  • 小規模多機能型居宅介護は、「住み慣れた地域で暮らしたい人」「環境や対応する職員の変化が苦手な人」「分かりやすい料金体系を希望している人」「状況に応じてサービスを柔軟に使いたい人」に向いている


1. 小規模多機能型居宅介護をわかりやすく解説

1-1. 小規模多機能型居宅介護とは、基本的な4つの介護サービスを総合的に提供する施設

小規模多機能型居宅介護とは、「ケアマネジメント」・「通い」・「訪問」・「宿泊」の4種類の支援方法を組み合わせた総合的支援を提供する施設です。直接的な介護サービスだけでなく、サービス利用に必要なケアプランも小規模多機能型居宅介護事業所に所属するケアマネジャーが作成します。一般的な在宅介護サービスの場合は「居宅介護支援事業所」「デイサービス事業所」「訪問介護事業所」「ショートステイ事業所」のそれぞれと契約して利用することになりますが、小規模多機能型居宅介護の場合はひとつの事業所で4つの機能を備えていることが特徴です。

小規模多機能型居宅介護

小規模多機能型居宅介護は、「家庭的な環境と地域住民との交流の中で自立した生活を営むことができるようにすること」を目的に平成18年に創設されました。例えさまざまな介護が必要になったとしても、自宅での生活を変えずに住み慣れた地域の中で暮らせるように支援することがコンセプトです。施設に在籍するケアマネジャーが「通い」を中心とし、「訪問」「宿泊」を組み合わせたケアプランを作成し、同じ事業所の職員が施設や自宅で身体介護・家事援助・機能訓練などの支援を提供します*1

通常の介護保険サービスでは、利用するサービスごとに異なる職員が入れ替わりながら支援します。しかし小規模多機能型居宅介護の場合は、ひとつの事業所の職員が馴染みの関係の中で、利用者ひとりひとりの生活状況に応じた臨機応変で柔軟な支援を展開できることが魅力です。

このようにして、介護者が就労などのために常時介護ができない家庭や、介護の手がかかるご利用者様でも、在宅での生活を維持できる。そのためのサービスが小規模多機能型居宅介護です。小規模多機能型居宅介護という名称は長いため、「ショウタキ」と略して呼ばれることも多いです。

1-2. 小規模多機能型居宅介護の定員・スタッフの人員配置

小規模多機能型居宅介護は、「1事業所あたりの登録者数」と「通い」と「宿泊」のサービスに定員が定められています。登録者とは、小規模多機能型居宅介護の事業所と利用契約を結んだ人のことを言います。登録者数の定員によって、「通い」と「宿泊」の定員も変わります。詳細は下記の通りです*1

  • 登録者数の定員:29名以下
  • 「通い」の定員:最大18人
  • 「宿泊」の定員:最大9人

一般的なデイサービスやホームヘルパー、ショートステイでは契約する利用者数に関する制限はありません。しかし、小規模多機能型居宅介護の場合は契約者自体に人数制限があります。

一方、職員の人員配置は代表者・管理者・介護支援専門員・介護職員・看護職員の配置が義務付けられています。に関する基準は以下のようになっています*1*2

職種必要数備考
代表者1人基本的には運営している法人の理事長や代表取締役。
管理者1人同一施設内の他職種と兼務可能。
介護支援専門員1人以上同一施設内の他職種と兼務可能。
介護職員日中通い利用者3人ごとに1人常勤換算方法で算定
訪問1人以上常勤換算方法で算定
夜間夜勤職員1人以上宿泊者0人の場合不要
宿直職員1人以上事業所内で宿直する必要はない
看護職員1人以上准看護師でも可

※常勤換算方法:1ヶ月間の従業員の延勤務時間を週の所定労働時間で割った数

小規模多機能型居宅介護の利用定員は29名以下と決められており、その中で一日に受入が可能な「通い」と「宿泊」の人数に制限があります。介護に関する職員体制は介護職員・看護職員の合計が利用者3人ごとに1人以上となっており、ほかの介護保険施設と同等の数が配置されています*3

2. 小規模多機能型居宅介護の対象者と利用方法

2-1. 小規模多機能型居宅介護の対象者は要支援1以上かつ事業所が所在する自治体の住民

小規模多機能型居宅介護を利用を利用できるのは、以下2つの条件を満たした方です*4

  • 要支援1以上の要介護認定を受けている方
  • 事業所が所在する自治体に住民票がある方

小規模多機能型居宅介護は、要介護認定の中で一番軽度である要支援1から利用できます。また、地域密着型サービスに分類されているため、基本的に住民票がある自治体の事業所しか利用できません。事業所を探すときは、ご自身の住民票がある市区町村に所在している事業所の中から選びましょう。

2-2. 利用方法

小規模多機能型居宅介護の利用を開始するときは、すでにケアマネがいる場合といない場合で異なります。

2-2-1.担当のケアマネジャーがいる場合

訪問・ヒアリングする男性

現在なんらかの介護保険サービスを利用している方の場合、契約している担当のケアマネジャーがいます。まずは、担当のケアマネジャーに小規模多機能型居宅介護を利用したい旨を伝えましょう。本人の心身状態や生活環境に合わせた事業所を紹介してくれます。

その後、小規模多機能型居宅介護の事業所と面談し、条件が合致すれば契約をして利用開始となります。小規模多機能型居宅介護の利用開始後は、担当のケアマネジャーが変わるので覚えておきましょう

居宅介護支援事業所から小規模多機能型居宅介護に移行する場合

小規模多機能に移行する場合、ケアマネジャー同士での引継ぎを行います。現在利用しているサービスの状況や課題、ケアプランなどの共有を行います。月途中で事業所を切り替えることも可能です。

ただ、以下の場合はつき途中だと事業所切り替え時の引継ぎがうまくいかないことが多く、注意が必要です

  • 介護保険の限度額いっぱいギリギリでサービスを利用している場合
  • 介護保険の認定更新や区分変更の申請をしている場合

2-2-2.担当のケアマネジャーがいない場合

担当のケアマネジャーがいない場合は、直接小規模多機能型居宅介護事業所に利用開始について相談に行くことになりますどの事業所を選べばいいか分からない場合は、最寄りの地域包括支援センターに相談に行きましょう。地域包括支援センターはおもに中学校区ごとに設置されていて、管轄する地域の高齢者介護に関するさまざまな相談に対応しています。

希望する事業所が見つかると、地域包括支援センターが事業所との橋渡しをしてくれます。あとは直接事業所を訪れて契約しましょう。

3. 小規模多機能型居宅介護の料金

デイサービスイメージ

小規模多機能型居宅介護は基本単価が月額定額制で、要介護度ごとに料金が変わります。また、地域に応じて1単位あたりの単価が変わったり、利用者が支払う介護保険サービス利用料の自己負担分についても収入に応じて割合が1〜3割と異なったりします。さらに、料金は3年ごとに見直しが行われています。

なお、一定の条件を満たした場合で緊急性が認められると担当ケアマネジャーが判断した場合に登録者以外の短期利用も可能です。この場合は月額制ではなく、日額となります。

令和6年4月現在の通常利用時の基本料金は以下の通りです*5

項目金額
基本単価要支援13,450円/月
要支援26,972円/月
要介護110,458円/月
要介護215,370円/月
要介護322,359円/月
要介護424,677円/月
要介護527,209円/月

※同一建物に居住していない場合

上記の基本料金以外に、実際の利用にあたって以下のような加算や実費請求があります。

(介護保険給付対象の加算)

  • 「認知症加算」「看取り体制強化加算」「訪問体制加算」などの利用者の状況に応じた対応を実施するために上乗せされる加算(介護保険給付
  • 「看護職員配置加算」「サービス提供体制強化加算」「介護職員処遇改善加算」などの職員体制を整えるために上乗せされる加算
  • 「口腔・栄養スクリーニング加算」「科学的介護推進体制加算」などサービスの質を向上させるために上乗せされる加算

(介護保険給付対象外の実費請求)

(介護保険給付対象外の実費請求)

  • 「通い」サービス利用時の昼食費
  • 「宿泊」サービス利用時の滞在費・食費
  • 医療費
  • 利用者が使用する紙おむつや尿取りパッド など

このように、小規模多機能型居宅介護は要介護度ごとに設定されている月額料金制です。実費部分以外は何回サービスを使っても同じ料金ですが、実際には際限なく利用できるわけではありません。事業所によっては要介護度ごとに大まかな利用回数の目安を設定している場合や、過大なサービス利用を求める場合は利用登録を断られる場合もあります。利用を開始してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、施設のケアマネジャーと入念に打ち合わせをするようにしましょう。

2024年4月に行われた報酬改定により、小規模多機能型居宅介護の利用料金も上がっています。食材費・光熱費・燃料費などの物価高騰のため、介護報酬もそれに応じて引き上げた形となります。

気を付けなければいけないのは、小規模多機能型居宅介護は包括払いで一か月の単価が決まっています。小規模多機能サービス以外に福祉用具や訪問看護を利用している場合、報酬の引き上げがあった場合は、それ以外のサービスで調整をしなければ限度額を超過してしまう場合があります。限度額を超えた分のサービス利用分はすべて自己負担(10割負担)になってしまいますので、変更後の利用単位数に注意しましょう。

4. 小規模多機能型居宅介護のメリット・デメリット

4-1. 小規模多機能型居宅介護のメリット

小規模多機能型居宅介護を利用するメリットは、以下の通りです。

  • 相談窓口が施設のケアマネに統一されている
  • 事業所が小規模なので、スタッフや他利用者との馴染みの関係を築きやすい
  • 「通い」「訪問」「宿泊」の3つを同じ職員が対応するので効率的。利用者も安心
  • 臨機応変にサービス内容やスケジュールを調整できる
  • 「宿泊」利用時の予約が取りやすい
  • 定額制なので料金が分かりやすい
  • 単位超過による自己負担が発生しずらい

小規模多機能型居宅介護は、「ケアマネジャー」「デイサービス」「ホームヘルパー」「ショートステイ」の4つの機能を持った施設です。相談窓口が施設のケアマネに集約され、顔なじみの職員が総合的な支援を提供してくれるので、複数事業所が関わる場合と比較すると介護方法の食い違いや情報伝達のミスが起きづらくなっています。

介護施設でのようす

普通のデイサービスやホームヘルパーの場合は基本的に「デイサービスは〇曜日と〇曜日」「ヘルパー訪問は〇曜日の△時から」などとあらかじめ定められた日時にしか利用できません。しかし小規模多機能型居宅介護の場合は、利用者の心身状況に応じたきめ細かな支援を臨機応変に変更しながら対応できます。また、通常のショートステイは何ヶ月も前から予約を取らないと利用が困難ですが、小規模多機能型居宅介護の場合は急な利用も対応が可能です。

さらには、利用料金についても分かりやすいという特徴があります。定額制なので毎月の料金が分かりやすくなっています。また、急なサービス利用の追加があっても要介護度ごとの利用上限を超える心配がないので、多額の自己負担が発生するリスクもほとんどありません。

4-2. 小規模多機能型居宅介護のデメリット

小規模多機能型居宅介護を利用するときに知っておいてほしいデメリットは、以下の通りです。

  • 担当のケアマネジャーを変えなければならない
  • ほかの「デイサービス・デイケア」「ホームヘルパー」「ショートステイ」が利用できなくなり、サービスの一部に不満があっても部分的な変更ができない
  • 泊りが増えると料金が上がる
  • 「特定入所者介護サービス費(負担限度額認定制度)」の対象外である

小規模多機能型居宅介護は、「ケアマネジャー」「通い」「訪問」「宿泊」の4つを一体的に提供するサービスです。そのため、事業所に登録した時点で担当ケアマネジャーが自動的に変わってしまいます。

また、ほかの介護保険サービスと同じような複数の支援内容を定額で提供するので、一部のサービスだけを別の事業所に頼むことができません。小規模多機能型居宅介護との併用できる介護保険サービスは、以下の6つに限られてしまいます*1

  • 訪問看護
  • 訪問リハビリテーション
  • 居宅療養管理指導
  • 福祉用具貸与
  • 特定福祉用具販売
  • 住宅改修

上記のサービスも利用することはできますが、必ずしも思うように利用ができるわけではありません。
小規模多機能型居宅介護の利用単位数が定額で、介護度に応じた区分支給限度額の多くを占めてしまうことから、上記のサービスに充てることができる単位数の枠が極端に狭まってしまいます。

そのため、

  • 訪問看護を利用したいが毎週は利用できない。
  • 介護用ベッドや車いすなどの福祉用具を利用しているために限度額超過が発生している

ということも起こりやすいので、小規模多機能型居宅介護を利用する際には外部のサービス利用の希望についても打ち合わせしておくことをお勧めします。

※また、上記のうち、居宅療養管理指導・特定福祉用具販売・住宅改修は限度額に含まれないサービスですので、これらを上手に活用していくことをお勧めします。

さらに、小規模多機能型居宅介護の「宿泊」は、通常のショートステイであれば食費や滞在費の一部が減免される「特定入所者介護サービス費(負担限度額認定制度)」に対応していません*6。基本サービス部分は定額なので何度サービスを追加しても介護保険利用料が増えることはありませんが、実費請求である食費や滞在費は利用した分だけ料金が積み上がっていくので、注意して利用する必要があります。

小規模多機能型居宅介護を利用された方・家族の声

ご家族
ご家族

本人が通いに行きたくないって言うから訪問だけでスタートしましたが、一か月後、請求書に3万円って書いてあるのを見てびっくりしました。定額料金なのでちょっとしか利用していなくても高額になるので、うちにはあっていないなと思いました。

ご利用者
ご利用者

今までのケアマネジャーさんはよく話を聞いてくれていたけれど、変わっちゃったのでまたいろいろ説明しなくちゃいけないので困ったわ。

ご家族
ご家族

仕事がシフト制なので曜日が決められないし、帰るのも遅くなることが多いから、前のケアマネさんの勧めで小規模多機能に変更しました。遅くまで見てもらったり、泊りで対応してくれたり、急な仕事の時にも利用日を変更してくれたので本当に助かっています。

特に働きながら介護をしているご家族やお一人暮らしのご利用者様は使いやすく喜ばれている声を多く聞きます。ただ、利用料金が高くなって困った、今まで利用していたサービスが使えなくなった、など誰にでもマッチするサービスというわけではありません。次の章で小規模多機能をお勧めしたい人について解説します。

5. 小規模多機能型居宅介護をおすすめする方

小規模多機能をお勧めしたい方

小規模多機能型居宅介護の利用をおすすめする方の条件と理由は、以下の通りです。

  • 要介護度が高いが、介護施設には入所したくない方

小規模多機能型居宅介護は、重度の方でも地域との繋がりの中で支えていくことを目的としています。住み慣れた地域で知人や友人に囲まれながら余生を過ごしたいと考えている方におすすめです。

  • 心身状態の変化が大きく、状態に応じて対応を随時変えなければならない方

「居宅介護支援」によるサービス利用は支援内容を変更するたびにケアプランを変えるための会議を開かなければならず、臨機応変な対応が苦手です。その点、小規模多機能型居宅介護はその方の状態変化に応じてきめ細やかな支援をタイムリーに実施できます。

  • 認知症があり、人の入れ替わりや環境の変化が苦手な方

認知症があると人の顔と名前を覚えるのが困難になり、環境の変化も苦手です。その点小規模多機能型居宅介護の場合は、同じ施設で「デイサービス」と「ショートステイ」を利用できます。また、通いなれた「デイサービス」「ショートステイ」の職員が自宅で「ホームヘルパー」をしてくれるので、顔なじみの近い距離感で利用者の特性に応じた支援を効率的に提供できます。

  • 介護者である家族が仕事のために不在になる時間が多い方

家族がシフト制の不定期勤務、夜勤や泊りののある仕事、出張が多い、などの場合は習慣スケジュールで固定されるデイサービスでは対応が困難です。小規模多機能であればスケジュールを柔軟に調整できるため、「明日は仕事で遅くなるから時間延長でお願いします」「来月出張が入ってしまったので泊りをお願いします」などの相談をすることができます。

  • 分かりやすいサービス利用を希望している方

小規模多機能型居宅介護は相談窓口が1本にまとまっており、料金も定額制で分かりやすいです。新しいサービスを追加するたびに本人に関する情報を何度も説明する手間も省けます。契約も1回で済むので、事務手続きも最小限で済みます。

介護の手間介護の手がかかる方におすすめ
サービスの対応臨機応変で細やかな対応が必要な方におすすめ
サービスを提供する人顔なじみの近い距離感がいい方におすすめ
介護者働きながら介護をしている家庭におすすめ
料金定額制でわかりやすい

6. ほかのサービスとの違い

6-1. 単体サービスとの違いは、「定額制」と「柔軟性」

小規模多機能型居宅介護と類似する他の介護保険サービスとの違いは、おもに「定額制か回数制か」・「提供プロセスの柔軟性」の2つです。

小規模多機能型居宅介護(定額制)単体サービス(回数制)
通い(デイサービス・デイケア)たとえば「入浴のみ」「半日だけ」など、必要な時間のみ利用が可能。状況に応じた回数変更にも対応が容易。朝から夕方まで利用する場合が多い。利用回数を追加にはケアプランの変更が必要で、時間がかかる場合もある*7。※一部の事業所では短時間サービスへの対応あり
訪問(ホームヘルパー)時間や回数、支援内容を状況に合わせて変更可能あらかじめ利用頻度、時間、支援内容を定める必要あり。
宿泊(ショートステイ)緊急時でも柔軟な利用が可能。通いなれた事業所なので本人も安心。2〜3ヶ月前の予約が必要な事業所が多く、急な時は空きがない場合も。慣れない施設での宿泊は本人にも負担がかかる。

小規模多機能型居宅介護の各サービスとそれぞれ単体の介護サービスを比べた場合、単体の介護サービスの場合はあらかじめ決められた内容に沿って提供する必要があるので柔軟な対応を取りづらい点が違います。また、小規模多機能型居宅介護は定額制のため回数も自由に調整できますが、各単体サービスの場合は回数を変える時はケアプランの変更が必要になるので、早急な対応は困難です。

6-2. 看護小規模多機能型居宅介護との違いは、訪問看護機能の有無

看護小規模多機能

小規模多機能型居宅介護に似ているものとして、「看護小規模多機能型居宅介護」(複合型サービス)と言うサービスがあります。これは医療面での支援が苦手だった小規模多機能型居宅介護に、さらに訪問看護の機能を上乗せしたサービスです。

リハビリスタッフ

「ケアマネジメント」「通い」「訪問」「宿泊」に加え、さらに医療的ケアにも対応することでより多くのニーズに応えることが可能です。主治医と連携することにより、たとえば退院後で体調が不安定な場合の総合的な支援や、在宅での看取りケア、褥瘡の処置や在宅酸素療法などの医療行為へも対応します。

料金は小規模多機能型居宅介護と同様に月額制で、基本料金は2,000~3,000円程度高くなっています。また、小規模多機能型居宅介護は利用できた要支援1・2の方は登録ができず、要介護1以上の認定を受けている方でないと利用できません*5*8

※看護小規模多機能型居宅介護は2012年のサービス創設時は「複合型サービス」という名称でした。名称がわかりにくいという批判もあり、あまり事業所数も増えず、定着しなかったことから2015年に「看護小規模多機能型居宅介護」という名称に変更となりました。現在は、小規模多機能を「ショウタキ」と略して呼ぶのと同様、看護小規模多機能型居宅介護の名称を略して「カンタキ」と呼ばれることも多いです。

参考文献

この記事を監修したのは

河北 美紀

介護認定審査会委員/株式会社アテンド代表取締役
2013年介護事業を運営する株式会社アテンド代表取締役就任。
8年間父の介護をした経験と、江戸川区介護認定審査会委員を務めた経験をもとに介護保険外サービス『冠婚葬祭付き添いサービス』を拡大。
母体のデイサービスは、2017年株式会社ツクイ(東証一部上場企業)主催の介護コンテスト横浜会場にて最優秀賞受賞。メディア実績は、厚生労働省老健事業「サービス活用販促ガイド」、週刊ダイアモンド、シルバー新報、東京都「キャリアトライアル65」、経済界など複数。


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