はじめての在宅介護!何をしたらいいか迷ったらまず「地域包括(チイキホウカツ)支援センター」へ

はじめての在宅介護、何をしたらいい? 介護のことはじめ

介護はある日突然やってくる

介護はいつやってくるか、誰にもわかりません。あなたの身の回りでも、以下のような状況が急に起こるかもしれません。

  • 今まで健康で病気ひとつしなかった父が脳梗塞で倒れた。
  • 毎日運動を欠かさなかった母が転倒して大腿骨を骨折した。
  • 規則正しい生活をしていた夫が突然認知症になって、食事もろくに食べなくなった。

このように、介護は突然にやってきます。初めて経験する在宅介護。待ったなしのこの状況で、突然「介護をする側」に立った家族は何からはじめたらいいのでしょう。

はじめに結論を言います。

地域包括支援センターに相談しましょう!

急いでいる方はこちらをクリックして地域包括支援センターへの相談方法を確認してください

在宅介護に直面した家族がするべきこと、そして在宅介護をする上での心構えについて解説します。

介護が必要になるきっかけ、第一位は認知症

まず、介護が必要になる「きっかけ」について簡単に解説します。

要介護状態になるきっかけについて調査した結果によると、最も多いのは「認知症」で全体の18.7%となっています。これに続いて「脳血管疾患(脳卒中)」が15.1%、「高齢による衰弱」が13.8%、「骨折・転倒」が12.5%となっています。

令和元年版高齢者白書
引用:令和元年版高齢者白書

認知症の発症は人それぞれで、徐々に進行していく場合もあれば、突然症状が進行する場合もあります。

「几帳面だった母がお金の支払いがわからなくなってお店のものを盗んできた」
「遠方に住んでいる父が、家に帰れなくなって保護されていると警察から連絡があった」
「優しかった母が急に攻撃的になり、近所から苦情が来た」

このように、認知症による重大な周辺症状があって、初めて認知症だったことに気が付くことも少なくありません。認知症は誰にでも起こりえる症状です。アルツハイマー病に関しては、几帳面で神経質な人ほど発症しやすいという調査もありますので、「あの人はしっかりしているから認知症にならない」ということはありません。

認知症に限らず、介護が必要になるきっかけ・症状は人それぞれです。どんなに健康管理をしていても、加齢に伴い様々な疾患や機能障害が生まれます。介護が必要になることは避けることができません。
介護はいつやってくるのか。誰にもわかりませんし、それを避けることはできません。

備えあれば憂いなし

もちろん、介護に向けて備えがあれば安心できます。

・普段通っている病院や飲んでいる薬も知っている。
・保険証などの大事な書類をどこに保管しているのか知っている。
・自宅をリフォームする際に段差を少なくし、手すりもつけておく。
・ご近所との関係を良好に保ち、協力してもらえる人がいる。
・兄弟姉妹など親族と普段から連絡を取っていて、協力し合える。

また、最近は民間保険会社の介護保険も増えています。必ず加入しておいた方がいいというわけではありませんが、介護保険の上限を超えた手厚いサービスを利用したい場合などはあらかじめ検討しておくといいでしょう。

介護についても心の準備があれば、落ち着いて行動することができます。

次の章からは、実際に介護が必要になったときに取るべき行動についてお伝えします。

介護の相談窓口:地域包括支援センターに相談する

実際に介護が必要になった時、まずは公的窓口に相談をすることが必要です。その相談窓口が「地域包括支援センター」です。

ここからは地域における介護の相談窓口、地域包括支援センターについて解説します。

地域包括支援センターとは

地域包括支援センターは介護に関する相談窓口として各市町村に設置されています。中学校区に一か所を目安に設置され、現在、全国で5,221か所の地域包括支援センターがあります。

地域包括支援センターを設置するのは市町村で、行っている業務は公的な事業です。ただ運営に関しては委託という形態をとる場合が多く、その運営主体は様々です。市町村が直接運営する場合もあれば、社会福祉法人、社会福祉協議会、民間企業が運営している地域包括支援センターもあります。

地域によって名称が異なり、地域包括支援センターという名称を使っていない場合もあります。「高齢者相談センター」「おとしより相談センター」「高齢者くらしサポート」など、地域によって独自の名称を付けている場合があります。「包括」という言葉が聞き馴染みなく、一般的に定着しないことから様々な名称で地域に根差した活動を行っています。

地域包括支援センターには、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員という介護・保健・福祉に精通した3職種が配置されています。
主な事業は以下の4つです。

  • 総合相談(高齢者のよろず相談)
  • 介護予防ケアマネジメント(要支援認定者のケアマネジメントや介護予防教室など)
  • 包括的・継続的ケアマネジメント(地域のケアマネジャー支援)
  • 権利擁護(虐待防止や成年後見制度の利用支援)

介護に直面した家族は、まず「総合相談」として地域包括支援センターに相談をすることから始めます。

まずは電話で相談を

まずは地域包括支援センターに電話で相談しましょう

地域包括支援センターの連絡先などがわからなければ、区役所に確認することをおすすめします。居住地によって担当する地域包括支援センターがエリア分けされていますので、住所を伝えて、担当する地域包括支援センターがどこかを確認しましょう。

地域包括支援センターの連絡先がわかれば、電話で相談をします。地域包括支援センターに直接行って相談することもできますが、地域包括支援センターの職員は窓口相談以外にも様々な事業を行っているため、担当できる職員がいない場合もあります。まずは電話でアポイントを取ることから始めましょう。地域包括支援センターまで行くことができない場合は、地域包括支援センターの職員に自宅まで来訪してもらうこともできます。

地域包括支援センターの職員との面談では、どのようなことで困っているのかを伝え、解決方法について相談しましょう。介護サービスの利用が必要な状況であれば、地域包括支援センターで介護保険の申請を代行することができます。認定申請の手続きから、その後の手続きや連絡調整まで、地域包括支援センターが窓口となって対応してくれます。一貫して地域包括支援センターが対応してくれるので、安心して相談することができます。

介護に直面したら、まずは地域包括支援センターに相談する、ということを覚えておきましょう。次の章では介護保険の申請から利用までの流れについて解説します。

介護保険を利用する

介護保険の申請からサービス利用まで

介護保険は誰でもすぐに利用できるわけではありません。介護保険サービスを利用するためには、以下の6つのプロセスを経なければいけません。

  1. 要介護認定を申請する
  2. かかりつけ医に相談、意見書を書いてもらう
  3. 認定調査を受ける
  4. 介護保険証を受け取る
  5. 地域包括支援センター・ケアマネジャーに相談する
  6. 介護サービス事業者と契約、サービス利用する

介護保険サービス利用までの流れを一つずつ解説します。

要介護認定申請書を作成する

介護保険申請からサービス利用するまで

まずは要介護認定申請書を作成します。介護保険は「申請主義」のため、申請を行い、介護保険の認定を受けなければサービスを利用することができません。

申請は、市町村の役所以外に、前述の地域包括支援センター、居宅介護支援事業所(ケアマネジャーが配置された事業所)でも行うことができます。

介護保険の申請には以下の書類が必要になります。

  • 介護保険被保険者証(介護保険証)
  • 第二号被保険者(40歳以上65歳未満)の場合は健康保険証
  • かかりつけ医療機関の名称・かかりつけ医の名前がわかるもの

【介護保険被保険者証(介護保険証)】

65歳以上であれば介護保険の被保険者証(介護保険証)が配布されているはずですので、保険証を持参して申請を行います。保険証を紛失していても、再発行することが可能です。市町村によっては、氏名・住所・生年月日などの情報が正しく把握できていれば申請できる場合もあります。

【健康保険証】

対象者が40歳以上65歳未満の方の場合、第二号被保険者となり、介護保険の申請をするためには加齢に伴う16疾患(初老期における認知症・脳血管疾患・脊柱管狭窄症・末期がんなど)のいずれかに該当しなければ申請ができません。介護保険申請に該当する疾患なのかを医療機関で必ず確認しましょう。第二号被保険者の場合、申請には健康保険の保険証が必要になるので、忘れずに用意しましょう。

【かかりつけ医の情報】

要介護認定の申請には、かかりつけの医療機関名と担当医師の名前を記載する必要があります。かかりつけの医療機関名と担当医の名前、最近の受診状況や、次回の診察予定なども確認しておきましょう。

署名欄は本人が署名するか、申請を代理する家族が署名します。
必要な情報の記載ができれば、認定申請を行い、市区町村の役所が申請受理を行います。

横浜市介護保険(要介護・要支援)認定申請書(表面)
参考:横浜市介護保険(要介護・要支援)認定申請書(表面)

かかりつけ医に相談、意見書を書いてもらう

介護保険の認定を受けるためには、市町村での審査を受けなければいけません。審査に必要となる書類は2種類あり、そのうちの一つがかかりつけ医が作成する主治医意見書です。

かかりつけ医が疾患や障害の状況や、今後起こりうるリスクなどを主治医意見書という書式に記載します。作成した書類は市町村の担当部署に郵送され、認定を審査するための資料となります。

かかりつけ医がいない、病院に受診できない、という場合は地域包括支援センターや市役所の担当部署に相談しましょう。特に認知症関連疾患の場合は、自分が疾患を持っているという認識を持つことがないため、受診を拒否することが少なくありません。どうしても受診ができない場合、市町村の指定医や認知症サポート医と相談します。

認定調査を受ける

介護保険の認定審査のために必要な書類、もう一つが認定調査によって作成される認定調査票です。

申請に基づき、市区町村の担当職員や委託を受けた外部調査員が自宅もしくは居所(入院中であれば入院先の医療機関)を訪問し、調査を行います。
認定調査で確認する内容は、1群から6群まで合計74項目となっています。

調査内容は、関節の可動域を確認する項目や、歩行・立位などの動作の状況、排せつや食事における介助を受けているか、氏名や生年月日を言えるか、介護に抵抗することがどのくらいの頻度であるかなど、多岐にわたります。
普段のありのままの状況を伝えましょう。

調査を受ける本人は、できるだけいいところを見せようと普段より頑張ってしまうことがあります。いつもは立つのもやっとなのに、張り切って立ち上がったりすることもあります。
また、認知症の方の場合は、今の状況を正確に把握できていないことがあります。外出していますかと質問され、本当は一歩も外に出ていないのに、昨日仕事に行ってきた、なんてことを平気で言います。

実際の介護状況が調査員に正しく伝わらないと、要介護認定のランクが正しく判定されず、本来必要なサービス量を利用できない可能性があります。必ず家族や普段の様子をよく知っている人が調査に立ち会い、実際の介護状況を正確に調査員に伝えるようにしましょう。

認定調査に関してはこちらの記事にまとめていますので、詳しくはこちらの記事をご参照ください。

介護保険証を受け取る

主治医意見書と認定調査票。2つの書類が役所の介護保険担当課に届いたら、介護保険の認定区分を決定する介護認定審査会が行われます。市町村の介護保険担当者や医師、介護福祉に関する有識者が集まり、主治医意見書と認定調査票をもとに、要支援1,2もしくは要介護1から5までの認定区分が決定します。

必ずしも要支援もしくは要介護という介護保険の認定が出るわけではなく、自立していると判断されれば要支援・要介護のランクに当てはまらない「非該当」と判定される場合もあります。非該当の場合は介護保険のサービスを利用することができません。

介護保険の認定結果は介護保険証とともに市区町村の役所から郵送され、本人もしくは家族の手元に届きます
介護保険の認定申請から保険証が届くまでの期間は一か月を目安としていますが、地域によっては二か月以上かかる場合もあります。介護サービスが必要な状況であれば申請手続きは早めにすることをおすすめします。

地域包括支援センター・ケアマネジャーに相談する

介護保険証を受け取ったら、認定結果を地域包括支援センターに報告します。

地域包括支援センターは認定結果をもとにサービス利用のために必要な連絡調整を行います。

要支援(1,2)の認定が出た場合は、地域包括支援センターが利用者と契約し、地域包括支援センター職員が介護予防ケアマネジメントとしてケアプランを作成します。この場合は地域包括支援センターがサービス調整や相談窓口となりますが、近隣の居宅介護支援事業所に介護予防ケアマネジメントを委託し、居宅介護支援事業所のケアマネジャーが担当になる場合もあります。

要介護(1~5)の認定が出た場合は、担当する居宅介護支援事業所の中から、契約する事業所を決定します。地域包括支援センター職員が公平中立な視点から候補となる事業所をピックアップしますので、その中からケアマネジメントをお願いする居宅介護支援事業所を選択します。居宅介護支援事業所は本人・家族との面談後、担当するケアマネジャーを決定し、ケアマネジメント契約を行います。

要支援の場合は地域包括支援センター、要介護の場合は居宅介護支援事業所が担当となり、サービス計画の作成やサービス事業所の利用調整を行います。

介護サービス事業者と契約、サービス利用する

ケアマネジャー(または地域包括支援センター職員)がサービス事業所との調整を行い、サービス利用に関する注意点や家族の希望について確認するサービス担当者会議を行います。サービスの利用曜日や利用回数、利用料金の目安などがここで確定します。確定した内容をもとに、サービス事業所との間でサービス利用契約を行います。

ケアマネジャーの作成した計画に基づいてサービス利用開始となります。介護の切迫性などの状況により、認定決定前にサービスを利用する場合もあり、順序が前後する場合もあります。

ここまでが介護保険のサービスを利用するまでの流れとなります。

サービス利用開始後は、ケアマネジャーと相談しながら、必要なサービスについて調整を行い、随時ケアプランの見直しを行っていきます。要介護認定の場合は、月に一回ケアマネジャーが自宅を訪問し、新たな課題が生まれていないか確認するために面談(モニタリング)を行い、翌月のサービス利用予定について確認をします。

サービス利用する高齢者の状況は常に変化をしていきます。疾患の進行や身体機能の変化、環境の変化など、様々な影響を受けるため、必要なサービスも異なります。ケアマネジャーと相談をしながらサービスの見直しをしていきましょう。

在宅介護のための心構え

介護保険のサービス利用までの流れを確認しました。在宅介護をする上で、必要な心構えについて5つのポイントにまとめています。

施設か在宅か?悩む家族
  • 在宅か、施設か
  • 「介護のために」仕事をやめるべき?
  • 在宅介護に理想・完璧を求めない
  • 長距離走のイメージで
  • 家族・親族間で役割分担を

1つずつポイントを解説します。

在宅か、施設か

在宅か、施設か。生活の場を選択しなければいけません。

特別養護老人ホームに関しては、原則要介護3以上の認定がなければ入所することができないことや、空きがないためすぐに入所することができないなど、制約はありますが、費用負担も少なく、看取りまで行う施設も増えています。

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は施設数も増えており、入所しやすい反面、費用負担も大きいというデメリットがあります。

在宅の場合は、施設と比較すると費用負担が少ないものの、家族にのしかかる肉体的・精神的介護負担が大きいことがデメリットとしてあります。在宅介護に限界を感じて施設を選択する場合もあります。

「要介護3以上になったら特別養護老人ホームに入所申し込みをする」「オムツ交換が必要になったら有料老人ホームにお願いする」「最後まで自宅で面倒を見る」など、大枠で方向性を決めておくといいでしょう。

在宅と施設、それぞれのメリット・デメリットを理解し、本人・家族に適した介護の方向性を決めましょう。主なメリット・デメリットは以下の通りです。

生活の場メリットデメリット
在宅費用負担が少ない
住み慣れた環境での生活
介護負担が大きい
特別養護老人ホーム費用負担が少ない
介護負担が少ない
要介護3以上ないと入れない
空きがなく待機期間が長い
有料老人ホーム介護負担が少ない
比較的すぐ入りやすい
費用負担が大きい

「介護のために」仕事をやめるべき?

両親に介護が必要になったら、介護のために仕事をやめるべきでしょうか?介護のために仕事を辞める「介護離職」が社会問題となっています。下の図は介護・看護により離職した人数を表したグラフです。

介護・看護により離職した人数を表したグラフ

介護のために仕事を辞める「介護離職」は年間10万人ペースで推移しています。そのうち、70~80%は女性労働者となっています。

「介護のために仕事を辞める」という選択をすることが、必ずしも望ましい結果を得るとは限りません。働きながら在宅介護を続けるという選択肢もあります。

介護は何年続くかわかりません。「施設に入所したら」「最後まで看取ったら」また働き始めようと思っていても、在宅介護が5年続くか、10年続くかは、誰にもわかりません。景気などの社会状況にも左右されますが、職場復帰や再就職のハードルは高く、一度手に入れた役職や給与水準を再び手にすることができるとは限りません。

離職し、収入が途切れてしまうことは将来も含めて考えると大きな不安要素となります。先の見えない介護のために仕事を辞めるのは、経済的に大きなリスクを抱え込むことになるのです。

また、仕事を辞めて介護に集中するということが、かえって介護者のストレスになることもあります。職場で働く時間を持つことにより気分転換ができ、社会とのつながりを実感することができます。家庭内の介護だけに一日を費やしてしまう日々が続くと、介護者の孤立感・ストレスが強くなり、介護者の心身にも悪影響を与えます。

まずは在宅介護サービスを上手に活用することで、「仕事を続けながら在宅介護をする」ことを考えましょう。

在宅介護に理想・完璧を求めない

在宅介護に理想や完璧を求めてはいけません。

常に100%全力で介護をしていては息が続きません。特に認知症の方は予想もつかない行動をすることがあるため、介護者の思う通りに介護ができるとは限りません。思い通りにいかないことで、介護者は「こんなに頑張って介護しているのに、どうしていうことを聞いてくれないの!?」「こんなに酷いことをして、私に何か恨みでもあるの!?」と疑心暗鬼になってしまいます。相手が認知症であれば、自分の思う通りに行かないことも当たり前のことだと開き直ることも必要です。

在宅介護サービスも様々な事業所が関わりますので、必ずしも家族の望み通りの介護ができるとは限りません。介護に対して理想を高く持ちすぎると、他人のケアに対して神経質になり、ミスばかりを探すようになってしまいます。

在宅介護を完璧にこなすことができる人はいません。在宅介護に理想や完璧を求めるのではなく、介護される側が「自分らしく過ごせる」環境があれば、それでオーライです。在宅介護は肩に力を入れすぎない。これが在宅介護を長続きさせるためのコツです。

介護は長距離走のイメージで

在宅介護は長期戦になる場合も多いです。公益財団法人生命保険文化センターが発表した「平成30年生命保険に関する全国実態調査」によると、介護経験のある人を対象に調査した平均の介護期間は4年7か月となっています。末期がんで余命宣告をされている場合などは別ですが、在宅介護は数年単位の長期戦になることを覚悟しなければいけません。

在宅介護を陸上競技に例えます。短距離走のイメージで介護を始めると、ゴールテープが見えないため、途中で息が上がってしまいます。

在宅介護は長距離走のイメージを持ちましょう。マラソンと同じように逆風や急な上り坂もありますが、呼吸を整えながら、ゴールまで完走を目指すことが大事です。

介護は短距離走ではなく、長距離走のイメージで始めましょう。

家族・親族間で役割分担を

在宅介護を1人で抱え込んではいけません。家族・親族間で役割分担をし、協力しながら進めましょう。

在宅介護を担うのは、妻、同居の娘・嫁など女性が大半です。長期間にわたり、介護を1人で行うことは肉体的にも精神的にも大きな負担が伴います。

抱え込まずに、家族や親族に協力を依頼しましょう。

  • 通院の付き添いは夫にお願いする
  • 息子・娘にも買い物を手伝ってもらう
  • 週末は義理の姉に手伝いに来てもらう

このように、役割分担を決めておくことで介護者が孤立することなく介護を続けることができます。

また、介護に関しての方向性や最近の状況などを、常に情報共有しておくことも大切です。LINEなどのメッセージアプリを使って、グループで情報共有しておくこともおすすめです。

家族だけではなく、近所の方や友人など、力になってくれる人がいる場合もあります。多くの人の協力を得ることで無理のない在宅介護を実現することができます。

家族間の介護に関するトラブル解決については以下のコラムをご参照ください。

在宅介護の心構え、5つのポイントを解説しました。

  • 在宅か、施設か
  • 「介護のために」仕事をやめるべき?
  • 在宅介護に理想・完璧を求めない
  • 長距離走のイメージで
  • 家族・親族間で役割分担を

どんなに頑張っても思うようにいかないのが在宅介護。気を張りすぎず、自分たちなりの在宅介護ができれば、きっと介護する側・される側とも穏やかな日々を送れると思います。

まとめ

はじめての在宅介護、何をすればいいのかを解説しました。

在宅介護はいつ起きるかわかりません。介護が必要になったら、まずは担当地域包括支援センターに電話をし、相談しましょう。介護保険の認定申請からケアマネジャーの紹介まで対応してくれます。

また、在宅介護を行う上での5つの心構えもお伝えしました。

はじめての在宅介護。わからないことや失敗はあって当たり前。相談できる人を見つけ、1人で抱え込まない在宅介護を目指していきましょう。

いえケア 在宅介護の総合プラットフォーム
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