
いえケア 編集部
在宅介護の総合プラットフォームいえケアです。
いえケア編集部では主任介護支援専門員としての地域包括支援センター相談員や居宅介護支援事業所管理者などの介護分野での経験を活かし、在宅介護に役立つ記事を作成しております。
在宅での介護を続けていると、自分がどれだけ疲れているか、気づかないうちに限界に近づいていることがあります。
日々の介護に追われ、睡眠や食事、気分の浮き沈みなどに変化があっても、「まだ大丈夫」と無理を重ねてしまう――これは多くの家族介護者に共通する特徴です。
国民生活基礎調査による統計によると、在宅で家族を介護している人のおよそ7割がストレスを感じているという結果もあります。
しかし、そのストレスは見えにくく、我慢や努力として“飲み込まれてしまう”ことがほとんどです。

たとえばこんな症状に、心当たりはありませんか?
- 睡眠が浅くなってきた
- いつもイライラしてしまう
- 人に会いたくないと感じる
- 気づけば食欲もなくなっている
こうした小さな変化こそ、介護ストレスのサインかもしれません。
だからこそ、まずは「今の自分の状態を知ること」が大切です。
本記事では、在宅介護におけるストレスの原因や、簡単にできるストレスチェックの方法、そして疲れを溜めこまないための対処法についてご紹介します。
無料でできる「在宅介護ストレスチェック」
「自分のストレスなんて、まだ大したことはない」
そう思っている方ほど、一度チェックしてみてください。
在宅介護は、心身に大きな負担がかかります。ですがそのストレスは、目に見えにくく、気づきにくいのが特徴です。
そこでおすすめしたいのが、簡単にできるストレスチェックです。
チェックツールの使い方

いえケアでは、在宅介護者の方向けに独自の「ストレスチェックツール」を無料公開しています。
以下のような質問に「はい」または「該当する」と感じたものにチェックを入れていくだけ。
所要時間は1〜2分程度です。
※チェック結果は保存されませんので、安心してご利用ください。
現在のあなたのストレス傾向をチェックしてみましょう。該当するものにチェックしてください。
介護者の中には、「自分のことを気にしている余裕なんてない」と考える方も多いですが、
自分自身の状態に気づき、ケアすることが介護を続けるうえで不可欠です。
無理をして倒れてしまっては、介護そのものが成り立たなくなってしまう――
だからこそ、まずは自分を見つめる時間をとってみましょう。
在宅介護ストレスの主な原因とは?

在宅介護のストレスは、ある日突然やってくるわけではありません。
日々の小さな不満や疲れが少しずつ積み重なり、あるとき「もう無理」と感じてしまうのです。
以下に、特に多くの方が感じている在宅介護ストレスの原因を、具体的に解説します。
1. 自分の時間がなくなる(時間的余裕の欠如)
介護には、食事・入浴・排せつ・移動・服薬管理など多くの対応が求められます。
突発的な対応も多いため、自分の趣味の時間や、ゆっくりと休む時間を確保するのが難しくなりがちです。
こうした日々が続くと、「自分が消えてしまったような感覚」に襲われる方もいます。
2. 家族や周囲の協力が得られない
在宅介護は、家族全員で支えるのが理想ですが、現実には1人の介護者に負担が集中していることが多いです。
特に核家族化が進み、世帯の構成人数が少なくなるほど、介護の負担は特定の人に集中します。近年、高齢者が高齢者を介護する老々介護世帯も増えており、その負担は非常に大きいものです。このような状態が続くと、「私だけが犠牲になっている」という思いが強くなり、ストレスだけでなく怒りや虚しさも蓄積していきます。
3. 相談できる人がいない(孤独感)
介護について、心から話せる人がいないというのも大きな問題です。
「愚痴をこぼしたらいけない」「家族のことだから外に話せない」と思い込んでいませんか?
このような背景から、悩みや苦しみをひとりで抱え込む人が非常に多いのです。
4. 心身の不調が現れている
介護は肉体労働でもあり、精神的なプレッシャーも大きいです。
知らず知らずのうちに、心と体が悲鳴をあげているかもしれません。
このような症状は「うつ」のサインであることも。
「ただの疲れ」と軽く見ずに、ケアが必要です。
5. 経済的な負担や不安
介護が長期化すると、費用負担も無視できません。
特に介護離職後の収入減や将来への不安は、メンタルに大きな影響を与えます。先が見えない、いつまでこの生活が続くのかわからないということも、その不安を大きくさせます。
6. 感情のコントロールができなくなる(罪悪感と自己嫌悪)
介護中に「イライラする」「つい強い言葉を使ってしまう」という経験はありませんか?
こうした感情の乱れは、ストレスの限界を知らせるサインです。
介護者自身が自己否定のループに陥ることも珍しくありません。
小さなストレスも見逃さないで
上記のような要因は、ひとつだけでもストレスの引き金になります。
しかし現実には、これらが複数重なっているケースがほとんどです。
まずは、「これはストレスかもしれない」と気づくことが第一歩。
次章では、在宅介護ストレスにどう対処していくかを具体的にご紹介します。
ストレスへの対処法と支援の活用
在宅介護のストレスは、一人で抱え込む必要はありません。
むしろ、適切に対処することで介護生活を続けやすくすることができます。
ここでは、今日から実践できる具体的な対処法と、公的・民間の支援についてご紹介します。
1. 「自分のケア」を意識する
介護する人こそ、自分自身のケアが必要です。
体調が悪くなれば、介護そのものが続けられなくなる可能性もあります。
▸ 自分にやさしくする習慣を
▸ 睡眠・栄養・休息の3本柱を大切に
2. 誰かに話す、つながる
心の負担を軽くするために、話すこと・つながることが非常に効果的です。
▸ 介護の悩みを話せる場所を持つ
▸ 「共感される」ことで癒される
話すことで「私だけじゃなかった」と気づき、安心感につながることもあります。
3. 介護サービスを積極的に使う
すべてを自分ひとりでやろうとしないことが、継続するコツです。
▸ 利用できる介護保険サービスの一例
※詳しい内容は担当のケアマネジャーに相談しましょう。
4. 経済的な支援も利用できる
介護には費用がかかることもありますが、公的な支援を受けることで負担を軽減できます。
▸ 代表的な経済支援制度
申請方法がわからない場合は、市区町村の介護保険課や地域包括支援センターに相談を。
5. 専門機関の力を借りる
心身の限界を感じたら、医療・福祉・心理の専門家に頼ることは決して甘えではありません。
▸ 相談先の一例
小さな「助けてもらう」が、大きな安心に
「自分が頑張らなきゃ」と思いすぎていませんか?
介護は「助けてもらっていい」ものです。
誰かに支えられることで、結果的にご本人にもより良い介護ができます。
このような対処法を知っているだけでも、心が少し軽くなることがあります。
在宅介護ストレスと向き合うあなたへ
在宅介護は、愛情や責任感が強い人ほど頑張りすぎてしまいがちです。
でも、介護者が心身ともに健康でいることが、よりよい介護につながります。
今回のポイントまとめ
今できる小さな一歩を
今のあなたにとって、「相談してみる」「デイサービスを調べてみる」「誰かに話す」など、
できそうな小さな一歩は何でしょうか?
まずはこのページで紹介したストレスチェックツールを使って、
今の気持ちと向き合ってみてください。

この記事を執筆・編集したのは
いえケア 編集部
在宅介護の総合プラットフォームいえケアです。
いえケア編集部では主任介護支援専門員としての地域包括支援センター相談員や居宅介護支援事業所管理者などの介護分野での経験を活かし、在宅介護に役立つ記事を作成しております。
(運営会社:株式会社ユニバーサルスペース)

コメント