記事のポイント
- 自宅での介護から老人ホームへの切り替えについて、LIFULL介護が調査結果を報告。
- 入居時の要介護度や入居のきっかけ、認知症の影響、介護期間などが明らかにされている。
- 自宅介護から老人ホーム入居への切り替えタイミングや要介護度のバリエーションが示されている。
老人ホームへの入居タイミングやその背後にある要因について、LIFULL介護が調査結果を公表しました。自宅での介護が限界に達した時、あるいは介護者自身の健康や生活が損なわれる前に切り替える必要があることは共通認識ですが、実際の判断は複雑です。調査により、老人ホーム入居を考える人々の実情が浮き彫りにされました。
調査結果によれば、老人ホーム入居時の要介護度は「要介護2」が最も多く、立ち上がりや歩行などが難しい状態が典型的であることが分かりました。特に、公的介護施設である特別養護老人ホームへの入居要件を超えても、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を選ぶケースが多いことが示唆されました。
また、老人ホーム入居のきっかけとしては、「認知症」が46.0%と、最も多くの人が回答しています。特に排せつの問題やお金の管理ができない状態が顕著であることが明らかになりました。これにより、認知症の方を支える介護者が直面する課題やストレスが浮き彫りにされました。
さらに、自宅介護から老人ホーム入居への切り替えのタイミングについては、約6割の人が3年未満で入居を決めていることが示されました。自宅介護の期間が限定的であることや、急な状況変化が背後にあることがうかがえます。
これらの調査結果は、老人ホーム入居を考える人々やその家族に、実際の経験から得られた示唆と参考情報を提供するものとなりました。
出典
LIFULL介護
※調査概要
調査時期:2023年7月4日~7月7日
調査対象:全国の20歳~79歳 男女2,000名 ※未既婚不問、有無職不問
・家族、親族の中で1年以内に介護施設入居者(*)がいる方
・家族、親族の介護施設の情報収集や選定に関与した方
*「介護施設」:介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホーム、軽費老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、特別養護老人ホーム、グループホーム、ケアハウス、介護老人保健施設、介護療養型医療施設(介護医療院)
調査手法:インターネットによるアンケート調査
編集部より
入居に関するアンケート。入居を考えるきっかけとなった認知症の症状の中でも、「排せつの失敗があった」が最も高いことがわかりました。排せつのトラブルが在宅介護の限界を感じるきっかけになっている場合も多いようです。
介護者にとっても精神的につらい体験であるとともに、排泄の介護が必要になると負担も大きくなります。本人にとっても自尊心を失うきっかけとなる排せつのトラブル。とても大きな問題だと感じさせられます。
この記事を執筆・編集したのは
いえケア 編集部
在宅介護の総合プラットフォームいえケアです。
いえケア編集部では主任介護支援専門員としての地域包括支援センター相談員や居宅介護支援事業所管理者などの介護分野での経験を活かし、在宅介護に役立つ記事を作成しております。
(運営会社:株式会社ユニバーサルスペース)