いえケア 編集部
在宅介護の総合プラットフォームいえケアです。
いえケア編集部では主任介護支援専門員としての地域包括支援センター相談員や居宅介護支援事業所管理者などの介護分野での経験を活かし、在宅介護に役立つ記事を作成しております。
日本において、少子高齢化が進む中、介護に対する需要が年々増加しています。この増加する介護需要に対応するため、厚生労働省は「介護の日」を設け、介護についての理解を深める日と位置づけました。この特別な日には、介護サービス利用者やその家族、そして介護従事者をはじめとする社会全体が支え合い、互いに助け合うことが求められています。
ここでは、介護の日がいかにして生まれたか、その背景や目的について詳しく見ていきます。また、介護の日に実施される様々なイベントや取り組みに焦点を当て、介護に対する理解を促進する取り組みについて探っていきます。
介護の日の由来と背景
介護の日の設定経緯
2008年7月27日に厚生労働大臣から発表された「介護の日」は、介護に関する理解を深めるための日として設けられました。この日は、介護に対する理解を広げ、関連する課題に対処するための支援を促進することを目的としています。厚生労働省は、意見公募を行い、「介護の日」として11月11日を採用。この日は介護に関わる人々への感謝と理解を示す日として設定されました(*1)。
「いい日、いい日」は「介護の日」と覚えてほしいということですので、みなさんも覚えておきましょう。
ちなみに、11月11日には「ポッキーの日」「プリッツの日」という強力なライバルの存在が(*2)。対抗意識丸出しで、ツイッター(現:X)では「ポッキーの日に負けるな」ハッシュタグキャンペーンをしてみました。
SNSなども通して、より多くの人に知ってもらうことは大事ですよね。
超高齢化社会の到来と介護の重要性
日本は超高齢化社会に直面しており、2025年には後期高齢者の割合が約18%に達すると予測されています。介護サービス利用者の増加に伴い、介護に対する需要が飛躍的に増大しています。しかし、介護サービスを提供する介護職員やケアマネジャーの数は残念ながら増えていません。このままでいくと、2040年には69万人分の介護職員が不足すると言われています(*3)。
介護は社会全体において重要な役割を果たし、高齢者や障害者を支えることで、社会の持続可能性を確保する上で不可欠な存在です。
介護従事者への支援の必要性
これから介護の世界に入ってもらえる人を増やすだけでなく、介護従事者への支援は喫緊の課題です。介護従事者の負担の軽減や待遇改善は介護人材の確保のために大変重要な要素です。介護の仕事は離職率が高く、腰痛などの労働災害リスクもあるため雇用が不安定な特徴があります。介護に携わる人々がより良い待遇・より良い環境で働けることで、長く働き続けることができ、介護の質を向上させることも可能です。
これらの視点から、介護をより多くの人に注目してもらうことや、介護従事者として働く人の支援策のひとつとして「介護の日」が生まれています。
介護の日に実施されるイベントと取り組み
介護の日には様々な取り組みやイベントが実施されていますが、「福祉人材確保重点実施期間」と結びついているものもあります。この期間は、介護サービスに対する理解と重要性を広く啓発することを目的とし、毎年11月4日から17日にかけて行われます(*4)。その内容や目的は多岐にわたります。
福祉人材センターが行うイベント
厚生労働省によって設定された「福祉人材確保重点実施期間」は、介護に関する理解を深め、介護という仕事に興味を持ってもらうことを主眼に置いています。この期間中には、都道府県の福祉人材センターや福祉人材バンク等が介護に関する様々なイベントや啓発活動を全国各地で展開しています。
具体的には以下のようなものがあります(*5)。
- 合同就職面接会
- 職場紹介・職場体験会
- 福祉に関するミニ講座
公益社団法人日本介護福祉士会が行うイベント
公益社団法人日本介護福祉士会は、毎年介護の日に多くのイベントを開催しています。これらのイベントは、講演会や福祉機器の展示、介護ロボットフォーラム、介護相談など、専門的な内容が含まれており、介護業界で働く人や介護業界に興味を持っている人にとって極めて有益な情報や知識を提供しています。介護に関する映画の上映会(オンライン上映会)なども開催しており、幅広い人に向けた発信を行っています(*6)。
介護相談は、介護に関する悩みを抱えている人々に解決策を提供し、貴重なサポートを提供しています。
地方自治体が行うイベント
地方自治体でも、近年では介護の日に多彩なイベントを展開しています。介護の仕事をしている人、介護の事業者、在宅介護をしているご家族、介護に興味のある人、様々な対象に向けたイベントを開催しています。具体的には以下のような内容が多く見られます(*7)。
- 講演会や説明会などで介護に関する理解を深める「介護の日フォーラム」
- 介護に関する絵画・作文・フォトコンクール
- 介護に対する理解を促進するためのライトアップイベント
介護施設や民間事業者による介護の日の取り組み
行政だけではなく、介護施設や民間事業者でも様々な取り組みをしています。
有料老人ホーム大手のグッドタイムリビング社では介護の日に関する川柳コンテストを行っています。
ニチイ学館では、子どもたちに介護について知ってもらうために介護体験教室を開催しています。
介護施設などでは講演会や写真展を開催するなど、介護の日をきっかけに多くの人に介護をPRする機会を作っています。
介護職向けの情報サイト「ケアきょう」ではエステー株式会社と協賛で介護職川柳対象を開催しています。
介護の日ではこのように官民様々なイベントを開催していますので、どんなものがあるか、探してみてください。
まとめ
介護の日は、介護に関する理解を深めるための日であり、超高齢化社会に直面する日本で、介護の重要性が増しています。厚生労働省は介護の日を設定し、これを通じて介護サービス利用者や介護従事者、地域社会全体が支え合うことを促進しています。
何かとネガティブな印象ばかりが注目されてしまう介護ですが、「介護の日」を通して、介護の魅力的な部分を発信していくきっかけになることを願います。
いえケアでは今年もハッシュタグキャンペーンで介護の日の周知を行います。X(旧twitter)などでみなさんで介護の魅力を発信していきましょう。
※ハッシュタグキャンペーンと言いながらプレゼントも何もありません!
参考資料
この記事を執筆・編集したのは
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