2024年介護報酬改定【通所系サービス等】。デイサービス、通所リハビリ、小規模多機能、ショートステイ!制度改正変更点まとめ[3/18最新]

2024年報酬改定、通所系サービス、小規模多機能 介護コラム

2024年介護報酬改定についてまとめてきましたが、サービス種別ごとにまとめる記事としては最後になります。通所介護・通所リハビリなどの通所系サービス、小規模多機能、短期入所(ショートステイ)に関しての変更内容を紹介します。

いえケア(在宅介護の総合プラットフォーム)

いえケア 編集部

在宅介護の総合プラットフォームいえケアです。
いえケア編集部では主任介護支援専門員としての地域包括支援センター相談員や居宅介護支援事業所管理者などの介護分野での経験を活かし、在宅介護に役立つ記事を作成しております。

【この記事をお勧めしたい人】

  • デイサービスや通所リハビリ事業所の管理者
  • 小規模多機能・看護小規模多機能事業所の管理者
  • ケアマネジャーや地域包括支援センター職員

通所系サービスだけでなく、小規模多機能・看護小規模多機能に関する変更も一緒にまとめております。なお、訪問系サービスも含めた各種サービスに共通する改正点についてはこちらの記事でまとめていますのでご参照ください。

デイサービス(通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護)

デイサービス(通所介護・地域密着型通所介護)の改正点は以下となっております。

  • 1(2)②豪雪地帯等において急な気象状況の悪化等があった場合の通所介護費等の所要時間の取扱いの明確化
  • 1(5)④業務継続計画未策定事業所に対する減算の導入
  • 1(6)①高齢者虐待防止の推進
  • 1(6)②身体的拘束等の適正化の推進
  • 1(7)③通所介護・地域密着型通所介護における認知症加算の見直し
  • 2(1)③リハビリテーション・個別機能訓練、口腔管理、栄養管理に係る一体的計画書の見直し
  • 2(2)①通所介護等における入浴介助加算の見直し
  • 2(3)①科学的介護推進体制加算の見直し
  • 2(3)③アウトカム評価の充実のためのADL維持等加算の見直し
  • 3(1)①介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算・介護職員等ベ ースアップ等支援加算の一本化
  • 3(2)①テレワークの取扱い
  • 3(2)⑧外国人介護人材に係る人員配置基準上の取扱いの見直し
  • 3(3)⑦通所介護、地域密着型通所介護における個別機能訓練加算の人員配置要件の緩和及び評価の見直し
  • 5②特別地域加算、中山間地域等の小規模事業所加算及び中山間地域に居住する者へのサービス提供加算の対象地域の明確化
  • 5⑤通所系サービスにおける送迎に係る取扱いの明確化

豪雪地帯等において急な気象状況の悪化等があった場合の通所介護費等の所要時間の取扱いの明確化

豪雪地帯等において、積雪等のやむを得ない事情の中でも継続的なサービス提供を行う観点から、通所介護費等の所要時間について、利用者の心身の状況(急な体調不良等)に限らず、積雪等をはじめとする急な気象状況の悪化等によるやむを得ない事情についても考慮することとする。

今回、審議会でも豪雪地帯というキーワードが出てきています。豪雪地域では燃料コストも大きくなることや、除雪作業などの負担、さらに送迎が遅延することによるサービス提供時間の短縮・介護報酬の減額といった厳しい環境にありました。この改善のため、介護報酬上の評価などを求めていました。

豪雪地帯・特別豪雪地帯の指定

しかし、結果として帰ってきたのは積雪などの気象状況の悪化によりやむを得ない場合はサービス提供時間短縮で介護報酬が減額されないように考慮するとしたものだけでした。

燃料費や除雪作業などのコストが他の地域と比較してコストがかかっているのではという点については、

、例えば通所介護等の車輛費は、豪雪地帯よりもその他地域の方が高い等、必ずしも豪雪地帯の通所系サービスの送迎に係る支出が高い、という結果は得られていない。

として認められませんでした。この根拠となる情報は令和4年経営概況調査特別集計からだったようなのですが、回収率も少ないためこのデータがそもそも根拠になるのかという疑問もあります。本来であれば、離島・中山間地域等に対する報酬加算に準じるような上乗せがあってもおかしくないように思うのですが。

対象事業所
通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、通所リハビリテーション

通所介護・地域密着型通所介護における認知症加算の見直し

通所介護・地域密着型通所介護における認知症加算について、事業所全体で認知症利用者に対応する観点から、従業者に対する認知症ケアに関する個別事例の検討や技術的指導に係る会議等を定期的に開催することを求めることとする。また、利用者に占める認知症の方の割合に係る要件を緩和する。

認知症加算という加算がありますが、算定している事業所は通所介護で7.4%、地域密着型通所介護では2.5%とかなり少ない現状です。これは認知症の対応をしていないわけではなく、認知症の利用者の割合や認知症に関する専門資格取得者の人数によって算定できるかどうかが決まります。今回は認知症の方の割合を緩和するとしていますが、一番のネックは認知症に関する資格取得者です。該当する資格は(介護職の場合は)以下のようになっています。

  • 認知症介護指導者養成研修
  • 認知症介護実践リーダー研修
  • 認知症介護実践者研修

この中で基礎的な資格が認知症介護実践者研修なのですが、それでも6日間の日程で研修に参加しなければいけません。

また、認知症に関する事例の検討や指導に関する会議を定期的に開催していることが算定要件に加わりました。ただ、あえて新たに研修を追加するというよりも、認知症の方のケースカンファレンスなどを事業所内で行う際に、個別事例の検討として議事録に残しておくことで、研修開催に関する算定要件をクリアできます。

対象事業所
通所介護、地域密着型通所介護

リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の一体的取組等

リハビリテーション・口腔・栄養を一体的に推進し、自立支援・重度化防止を効果的に進める観点から、通所リハビリテーションにおけるリハビリテーションマネジメント加算について、以下の要件を満たす場合を評価する新たな区分を設ける。

  • ア 口腔アセスメント及び栄養アセスメントを行っていること。
  • イ リハビリテーション計画等の内容について、リハビリテーション・口腔・栄養の情報を関係職種の間で一体的に共有すること。その際、必要に応じてLIFEに提出した情報を活用していること。
  • ウ 共有した情報を踏まえ、リハビリテーション計画について必要な見直しを行い、見直しの内容について関係職種に対し共有していること。

また、報酬体系の簡素化の観点から、通所リハビリテーション、訪問リハビリテーションのリハビリテーションマネジメント加算(B)の要件について新規区分とし、加算区分を整理する。

リハビリテーションに関する加算区分を整理しつつ、新たな区分が設けられます。リハビリテーション・口腔・栄養を一体的に推進するということですが、要件に科学的介護(LIFE)を活用していることも含まれています。

科学的介護(LIFE)に関してはこちらの記事でもまとめております。データに基づいて効率的な・根拠のあるケアを提供しなさいというのが科学的介護で、そのデータを蓄積しているのがLIFEというデータベースです。詳細はこちらの記事をご参照ください。

対象事業所
通所介護、通所リハビリテーション、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護老人保健施設、介護医療院

通所介護等における入浴介助加算の見直し

通所介護等における入浴介助加算について、入浴介助技術の向上や利用者の居宅における自立した入浴の取組を促進する観点から、以下の見直しを行う。

  • ア 入浴介助に必要な技術の更なる向上を図る観点から、入浴介助加算(Ⅰ)の算定要件に、入浴介助に関わる職員に対し、入浴介助に関する研修等を行うことを新たな要件として設ける。
  • イ 入浴介助加算(Ⅱ)の算定要件である、「医師等による、利用者宅浴室の環境評価・助言」について、人材の有効活用を図る観点から、医師等に代わり介護職員が訪問し、医師等の指示の下、ICT機器を活用して状況把握を行い、医師等が評価・助言する場合も算定することを可能とする。

加えて、利用者の居宅における自立した入浴への取組を促進する観点から、入浴介助加算(Ⅱ)の算定要件に係る現行のQ&Aや留意事項通知で示している内容を告示に明記し、要件を明確にする。

直接関係する人が一番多い改定内容はこれかもしれません。デイサービスで入浴を提供する場合、事業所は入浴介助加算(ⅠもしくはⅡ)を算定することができるのですが、今後算定するためには入浴介助に関する研修を行うことが必須となりました。

入浴介助加算は40単位ですので、利用者一日平均30人のデイサービスが、30日間営業して入浴介助した場合、これまでであれば一か月36,000単位=360,000円が事業所に入ります。でも、もし「研修していなかった」というだけでこれが没収です。研修の開催頻度は一年になるのかどうかはまだわかりませんが、これは気を付けないととんでもないダメージになりそうです。ご注意を。

2024年3月18日追記

入浴介助加算の要件として追加された研修について、厚生労働省はQ&Aにおいてこのようにアナウンスしています。

入浴介助加算(Ⅰ) ①研修内容について

問60
入浴介助に関する研修とは具体的にはどのような内容が想定されるのか。

(答)
・ 具体的には、脱衣、洗髪、洗体、移乗、着衣など入浴に係る一連の動作において介助対象者に必要な入浴介助技術や転倒防止、入浴事故防止のためのリスク管理や安全管理等が挙げられるが、これらに限るものではない。
・ なお、これらの研修においては、内部研修・外部研修を問わず、入浴介助技術の向上を図るため、継続的に研修の機会を確保されたい。

介護保険最新情報Vol.1225(「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和6年3月15日)」の送付について)

具体的な研修内容については、入浴介助に関することであれば内容を限定しないようです。国として入浴介助の質を改善したいとかそういう目的があるわけではなさそうで、ただ現場に負担をかけたいだけなんじゃないか・・・。

入浴介助加算(Ⅱ)に関しては医師が浴室の環境評価・助言というものですが、本当に助言を行うのに医師が適切なのか、医師に住環境の評価ができるのかというのがそもそも疑問です。福祉用具選択制もそうですが、医療との連携というものは医師の御用聞きになるわけでもなく、お互いの専門領域を尊重しながら利用者の自立支援をしていくのだと思うんですが。

2024年3月18日追記

入浴介助加算(Ⅱ)に関して、
入浴介助加算(Ⅱ)について、医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士若しくは介護支援専門員又は利用者の動作及び浴室の環境の評価を行うことができる福祉用具専門相談員、機能訓練指導員、地域包括支援センターの職員その他住宅改修に関する専門的知識及び経験を有する者が利用者の居宅を訪問し、浴室における当該利用者の動作及び浴室の環境を評価する

とされていますが、この「住宅改修に関する専門的知識及び経験を有する者」について、Q&Aではこのように定義しています。

問63
入浴介助加算(Ⅱ)について、医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士若しくは介護支援専門員又は利用者の動作及び浴室の環境の評価を行うことができる福祉用具専門相談員、機能訓練指導員、地域包括支援センターの職員その他住宅改修に関する専門的知識及び経験を有する者が利用者の居宅を訪問し、浴室における当該利用者の動作及び浴室の環境を評価することとなっているが、この「住宅改修に関する専門的知識及び経験を有する者」とはどのような者が想定されるか。

(答) 福祉・住環境コーディネーター2級以上の者等が想定される。
なお、通所リハビリテーションについても同様に取扱う。
※ 令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.8)(令和3年4月26日)問2の修正。

介護保険最新情報Vol.1225(「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和6年3月15日)」の送付について)

住宅改修に関わる人はぜひ福祉住環境コーディネーター2級は取りましょう。

対象事業所
通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護
通所リハビリテーション

科学的介護推進体制加算の見直し

科学的介護推進体制加算について、質の高い情報の収集・分析を可能とし、入力負担を軽減し科学的介護を推進する観点から、以下の見直しを行う。

  • ア 加算の様式について入力項目の定義の明確化や他の加算と共通している項目の見直し等を実施。
  • イ LIFEへのデータ提出頻度について、少なくとも「6月に1回」から「3月に1回」に見直す。
  • ウ 初回のデータ提出時期について、他のLIFE関連加算と揃えることを可能とする。

先程も説明した科学的介護LIFEデータベースへのデータ提出が半年に一回から三カ月に一回に変更されます。科学的介護をより促進していきたいという狙いが見られます。

対象事業所
通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、通所リハビリテーション、特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、看護小規模多機能型居宅介護、介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護老人保健施設、介護医療院

アウトカム評価の充実のためのADL維持等加算の見直し

ADL維持等加算について、自立支援・重度化防止に向けた取組をより一層推進する観点から、ADL維持等加算(Ⅱ)におけるADL利得の要件について、「二以上」を「三以上」と見直す。また、ADL利得の計算方法の簡素化を行う。

ADL維持等加算は、自立支援に効果を出した場合に算定できるアウトカム評価の加算ですが、3種類あるものの、最も算定事業所が多いADL維持等加算(Ⅲ)でも算定事業所は通所介護のおよそ2.6%。とにかく要件のハードルが厳しすぎるため、算定率が低すぎる状況です。

算定のためのバーセルインデックスなどの数値入力やADL利得の計算など、作業が多いわりに報酬単価が低いということで事業所にとっては大変ですよね。

対象事業所
通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

外国人介護人材に係る人員配置基準上の取扱いの見直し

就労開始から6月未満のEPA介護福祉士候補者及び技能実習生(以下「外国人介護職員」という。)については、日本語能力試験N1又はN2に合格した者を除き、両制度の目的を考慮し、人員配置基準への算入が認められていないが、就労開始から6月未満であってもケアの習熟度が一定に達している外国人介護職員がいる実態なども踏まえ、人員配置基準に係る取扱いについて見直しを行う。 具体的には、外国人介護職員の日本語能力やケアの習熟度に個人差があることを踏まえ、事業者が、外国人介護職員の日本語能力や指導の実施状況、管理者や指導職員等の意見等を勘案し、当該外国人介護職員を人員配置基準に算入することについて意思決定を行った場合には、就労開始直後から人員配置基準に算入して差し支えないこととする。その際、適切な指導及び支援を行う観点、安全体制の整備の観点から、以下の要件を設ける。

  • ア 一定の経験のある職員とチームでケアを行う体制とすること
  • イ 安全対策担当者の配置、指針の整備や研修の実施など、組織的に安全対策を実施する体制を整備していること

あわせて、両制度の趣旨を踏まえ、人員配置基準への算入の有無にかかわらず、研修又は実習のための指導職員の配置や、計画に基づく技能等の修得や学習への配慮など、法令等に基づき、受入れ施設において適切な指導及び支援体制の確保が必要であることを改めて周知する。

来日している外国人介護職ですが、これまでは就労6ヵ月以降は人員配置基準に含めるというルールでした。見習い期間みたいな位置づけです。ただ、外国人でもすでに日本語やケアに習熟している方もいることから、6ヵ月ルールを緩和するというものです。

対象事業所
通所系サービス、短期入所系サービス、居住系サービス、多機能系サービス、施設系サービス

通所介護、地域密着型通所介護における個別機能訓練加算の人員配置要件の緩和及び評価の見直し

通所介護、地域密着型通所介護における個別機能訓練加算について、機能訓練を行う人材の有効活用を図る観点から、個別機能訓練加算(Ⅰ)ロにおいて、現行、機能訓練指導員を通所介護等を行う時間帯を通じて1名以上配置しなければならない、としている要件を緩和するとともに、評価の見直しを行う。

個別機能訓練指導員の人員配置基準と評価の見直しが行われます。人材の有効活用ができるよう、提供時間最初から最後まで機能訓練指導員が配置されなくてもいいというルールになる予定です。

対象事業所
通所介護、地域密着型通所介護

通所系サービスにおける送迎に係る取扱いの明確化

通所系サービスにおける送迎について、利便性の向上や運転専任職の人材不足等に対応する観点から、送迎先について利用者の居住実態のある場所を含めるとともに、他の介護事業所や障害福祉サービス事業所の利用者との同乗を可能とする。

デイサービスの送迎人材が不足していることに関して、事業所「あいのり」を可能にするということです。ただ、リスク管理の問題なども考えるとあまり積極的に行う事業所は少ないかもしれません。ただ、同一法人や関連法人の事業所で行うということはあるかもしれませんね。

対象事業所
通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、通所リハビリテーション、療養通所介護

通所介護基本報酬

通所リハビリテーション

通所リハビリテーションの改定内容は以下の通りとなっています。ちなみに、通所リハビリテーションは医療系サービスに位置づけられるため改定は4月1日からではなく、訪問看護や訪問リハビリと同様、6月1日からとなります。

  • 1(2)②豪雪地帯等において急な気象状況の悪化等があった場合の通所介護費等の所要時間の取扱いの明確化
  • 1(2)③通所リハビリテーションにおける機能訓練事業所の共生型サービス、基準該当サービスの提供の拡充
  • 1(3)⑧医療機関のリハビリテーション計画書の受け取りの義務化
  • 1(3)⑨退院後早期のリハビリテーション実施に向けた退院時情報連携の推進
  • 1(5)④業務継続計画未策定事業所に対する減算の導入
  • 1(6)①高齢者虐待防止の推進
  • 1(6)②身体的拘束等の適正化の推進
  • 2(1)①訪問・通所リハビリテーションにおけるリハビリテーション、口腔、栄養の一体的取組の推進
  • 2(1)③リハビリテーション・個別機能訓練、口腔管理、栄養管理に係る一体的計画書の見直し
  • 2(1)⑥訪問及び通所リハビリテーションのみなし指定の見直し
  • 2(1)⑧介護予防サービスにおけるリハビリテーションの質の向上に向けた評価(予防のみ)
  • 2(1)⑪通所リハビリテーションの事業所規模別基本報酬の見直し
  • 2(1)⑫ケアプラン作成に係る「主治の医師等」の明確化
  • 2(2)②通所リハビリテーションにおける入浴介助加算(Ⅱ)の見直し
  • 2(3)①科学的介護推進体制加算の見直し
  • 3(1)①介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算・介護職員等ベースアップ等支援加算の一本化
  • 3(2)①テレワークの取扱い
  • 3(2)⑧外国人介護人材に係る人員配置基準上の取扱いの見直し
  • 4(2)①運動器機能向上加算の基本報酬への包括化(予防のみ)
  • 5②特別地域加算、中山間地域等の小規模事業所加算及び中山間地域に居住する 者へのサービス提供加算の対象地域の明確化
  • 5⑤通所系サービスにおける送迎に係る取扱いの明確化★

デイサービス(通所介護・地域密着型通所介護)で解説したものと重複するものは説明を省かせていただきます。

医療機関のリハビリテーション計画書の受け取りの義務化、退院後早期のリハビリテーション実施に向けた退院時情報連携の推進

こちらの2つの内容は訪問リハビリテーションと同様ですので、詳しい解説は省きます。退院時の医療機関との連携を図り、よりスムーズに在宅意向をすることを目指しています。退院後の通所リハビリへの移行が早い方が機能回復が大きいと評価されています。

退院時の計画書

通所リハビリテーションの事業所規模別基本報酬の見直し

リハビリテーションマネジメントを実施する体制等が充実している事業所を評価する観点から、事業所規模別の基本報酬について、以下の見直しを行う。

  • ア 通常規模型、大規模型(Ⅰ)、大規模型(Ⅱ)の3段階になっている事業所規模別の基本報酬を、通常規模型、大規模型の2段階に変更する。
  • イ 大規模型事業所のうち、以下の要件を全て満たす事業所については、通常規模型と同等の評価を行う。
    • ⅰ リハビリテーションマネジメント加算の算定率が利用者全体で一定数を超えていること。
    • ⅱ リハビリテーション専門職の配置が一定数を超えていること。

これまで3区分だったリハビリテーションマネジメントの加算区分を3区分から2区分にする予定です。大規模型(Ⅰ)と(Ⅱ)が合体するイメージですが、大規模型であっても、マネジメント加算の算定率が一定数を超え、専門職の配置が一定数を超えていれば通常規模型と同じ少し高めの評価に繰り上げられる仕組みとなっています。

対象事業所
通所リハビリテーション

療養通所介護

医療的ニーズの高い中重度者を対象とした通所サービスが療養通所介護。ただ、地域によっては事業所がないところもありますので、あまりなじみがないかもしれません。

  • 1(3)④療養通所介護における医療ニーズを有する中重度者の短期利用の推進
  • 1(3)⑤療養通所介護における重度者への安定的なサービス提供体制の評価
  • 1(5)④業務継続計画未策定事業所に対する減算の導入
  • 1(6)①高齢者虐待防止の推進
  • 1(6)②身体的拘束等の適正化の推進
  • 3(1)①介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算・介護職員等ベ ースアップ等支援加算の一本化
  • 3(2)①テレワークの取扱い
  • 3(2)⑧外国人介護人材に係る人員配置基準上の取扱いの見直し
  • 5②特別地域加算、中山間地域等の小規模事業所加算及び中山間地域に居住する者へのサービス提供加算の対象地域の明確化
  • 5⑤通所系サービスにおける送迎に係る取扱いの明確化

療養通所介護における医療ニーズを有する中重度者の短期利用の推進

療養通所介護の利用者は医療ニーズを有する中重度者であり、包括報酬において新たに利用する際の判断が難しい場合があること、登録者以外の者が緊急に利用する必要が生じる場合があることから、中重度者が必要に応じて利用しやすくなるよう、療養通所介護の基本報酬に短期利用型の新たな区分を設ける。

療養通所介護は、前回の報酬改定以降、小規模多機能などのサービスと同様、月額包括報酬となりました。ただ、その反面、固定報酬が大きすぎて他のサービス利用に支障が出ることや、短期間での利用ができないなどの声もありました。そこで、短期間でも利用できる仕組みを作ることになりました。

療養通所介護が包括報酬になったことによる課題

療養通所介護における重度者への安定的なサービス提供体制の評価

主に中重度の利用者を対象とする療養通所介護について、介護度に関わらず一律の包括報酬である一方、重度の利用者を受け入れるにあたっては特に手厚い人員体制、管理体制等が必要となることから、安定的に重度の利用者へのサービスを提供するための体制を評価する新たな加算を設ける。

同じ療養通所でも重度の利用者の割合が多く、人員体制を厚くしている事業所もあります。そういった事業所を評価する加算を作ることになっています。

小規模多機能型居宅介護

小規模多機能の変更点は以下の通りとなっています。

  • 1(2)④総合マネジメント体制強化加算の見直し
  • 1(5)④業務継続計画未策定事業所に対する減算の導入
  • 1(6)①高齢者虐待防止の推進
  • 1(6)②身体的拘束等の適正化の推進
  • 1(7)④(看護)小規模多機能型居宅介護における認知症対応力の強化
  • 2(3)①科学的介護推進体制加算の見直し
  • 3(1)①介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算・介護職員等ベースアップ等支援加算の一本化
  • 3(2)①テレワークの取扱い
  • 3(2)②利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の設置の義務付け
  • 3(2)③介護ロボットやICT等のテクノロジーの活用促進
  • 3(2)⑧外国人介護人材に係る人員配置基準上の取扱いの見直し
  • 3(3)⑫(看護)小規模多機能型居宅介護における管理者の配置基準の見直し
  • 5②特別地域加算、中山間地域等の小規模事業所加算及び中山間地域に居住する者へのサービス提供加算の対象地域の明確化
  • 5③特別地域加算の対象地域の見直し

総合マネジメント体制強化加算の見直し

定期巡回・随時対応型訪問介護看護及び(看護)小規模多機能型居宅介護が、地域包括ケアシステムの担い手として、より地域に開かれた拠点となり、認知症対応を含む様々な機能を発揮することにより、地域の多様な主体とともに利用者を支える仕組みづくりを促進する観点から、総合マネジメント体制強化加算について、地域包括ケアの推進と地域共生社会の実現に資する取組を評価する新たな区分を設ける。 なお、現行の加算区分については、新たな加算区分の取組を促進する観点から評価の見直しを行う。

総合マネジメント体制強化加算は、地域とのかかわりや多職種連携などを要件として算定可能な加算ですが、およそ90%の事業所が加算を取得しています。

算定要件:
①個別サービス計画について、利用者の心身の状況や家族を取り巻く環境の変化を踏まえ、介護職員や看護職員等の多職種協働により、随時適切に見直しを行っていること
②利用者の地域における多様な活動が確保されるように、日常的に地域住民等との交流を図り、利用者の状態に応じて、地域の行事や活動等に積極的に参加していること

ただ、実際に地域からの相談内容としてはサービスの利用相談がほとんどで、地域の拠点として機能している事業所は多くないという指摘もありました。算定要件を厳しくし、より地域と結びついて、地域に開かれた事業所が評価されるようになりそうです。

対象事業所
小規模多機能、看護小規模多機能

看護小規模多機能型居宅介護

  • 1(2)④総合マネジメント体制強化加算の見直し
  • 1(3)①専門性の高い看護師による訪問看護の評価
  • 1(3)⑥看護小規模多機能型居宅介護における柔軟なサービス利用の促進
  • 1(4)③訪問看護等におけるターミナルケア加算の見直し
  • 1(4)④情報通信機器を用いた死亡診断の補助に関する評価
  • 1(5)④業務継続計画未策定事業所に対する減算の導入
  • 1(6)①高齢者虐待防止の推進
  • 1(6)②身体的拘束等の適正化の推進
  • 1(7)④(看護)小規模多機能居宅介護における認知症対応力の強化
  • 2(3)①科学的介護推進体制加算の見直し
  • 2(3)④アウトカム評価の充実のための排せつ支援加算の見直し
  • 2(3)⑤アウトカム評価の充実のための褥瘡マネジメント加算等の見直し
  • 3(1)①介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算・介護職員等ベースアップ等支援加算の一本化
  • 3(2)①テレワークの取扱い
  • 3(2)②利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の設置の義務付け
  • 3(2)③介護ロボットやICT等のテクノロジーの活用促進
  • 3(2)⑧外国人介護人材に係る人員配置基準上の取扱いの見直し
  • 3(3)⑫(看護)小規模多機能型居宅介護における管理者の配置基準の見直し
  • 5②特別地域加算、中山間地域等の小規模事業所加算及び中山間地域に居住する者へのサービス提供加算の対象地域の明確化
  • 5③特別地域加算の対象地域の見直し
  • 5⑥看護小規模多機能型居宅介護におけるサービス内容の明確化

訪問看護や小規模多機能と重複する内容が多いです。訪問看護の改正内容はこちらに記載しております。重複分の説明は省略します。

看護小規模多機能型居宅介護における柔軟なサービス利用の促進

看護小規模多機能型居宅介護において、介護度によらず利用者ごとの利用頻度が幅広く、利用料や「通い・泊まり・訪問(看護・介護)」の各サービスの利用ニーズの有無等を理由に新規利用に至らないことがあることを踏まえ、利用者の柔軟な利用を促進する観点から、以下の見直しを行う。

  • ア 当該登録者へのサービス提供回数が過少な場合は、基本報酬を減算する。
  • イ 緊急時訪問看護加算について、緊急時の宿泊サービスを必要に応じて提供する体制を評価する要件を追加する見直しを行う。

看護小規模多機能は包括固定報酬ですが、報酬単価・自己負担金額がかなり大きくなるため、それがネックになって利用が進まないという状況があります。そこで、柔軟な利用ができるように、提供サービスが少ない場合は基本報酬を減額することで、報酬単価が少なくなり、利用しやすくなるという仕組みが作られます。週1回だけ利用したい、のようなニーズにも利用しやすくなるかと思われます。

短期入所生活介護(ショートステイ)

最後にショートステイについてです。あまり詳しくは書きませんが、重要な部分のみお伝えします。

  • 1(4)⑤短期入所生活介護における看取り対応体制の強化
  • 1(5)④業務継続計画未策定事業所に対する減算の導入
  • 1(6)①高齢者虐待防止の推進
  • 1(6)②身体的拘束等の適正化の推進
  • 2(1)⑮訪問系サービス及び短期入所系サービスにおける口腔管理に係る連携の強化
  • 2(2)③ユニットケア施設管理者研修の努力義務化
  • 3(1)①介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算・介護職員等ベースアップ等支援加算の一本化
  • 3(2)①テレワークの取扱い
  • 3(2)②利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の設置の義務付け
  • 3(2)③介護ロボットやICT等のテクノロジーの活用促進
  • 3(2)⑧外国人介護人材に係る人員配置基準上の取扱いの見直し
  • 3(3)⑩ユニット間の勤務体制に係る取扱いの明確化
  • 4(1)③短期入所生活介護における長期利用の適正化★

短期入所生活介護における看取り対応体制の強化

短期入所生活介護について、看取り期の利用者に対するサービス提供体制の強化を図る観点から、レスパイト機能を果たしつつ、看護職員の体制確保や対応方針を定め、看取り期の利用者に対してサービス提供を行った場合に評価する新たな加算を設ける。

ショートステイで看取り期の利用者の受け入れをしているということに触れ、看取り期の利用者にサービスを提供した場合の加算が設けられます。

もちろん看取り期のレスパイトニーズはあると思いますが、本来それを受け入れるのは医療機関や緩和ケアの役割なのではないかと思うのですが、その対応が難しい状況ということからショートステイでの受け入れを促進したいのでしょう。ショートステイという限られたリソースでどこまで対応できるのかというと、かなり現場は苦労するのではないでしょうか。

短期入所での看取り受け入れ実績

短期入所生活介護における長期利用の適正化

短期入所生活介護、介護予防短期入所生活介護における長期利用について、長期利用の適正化を図り、サービスの目的に応じた利用を促す観点から、施設入所と同等の利用形態となる場合、施設入所の報酬単位との均衡を図ることとする。

いわゆるロングショート(ロングショートステイ)についてです。長期入所ベッドの空き待ちのためのロングショートに関して、長期入所と実体は大きく変わらないのに、ショートステイの報酬単価はおかしいという意見により、報酬単価が引き下げられる見込みです。

これまでもショートステイ長期利用については、30日を超える利用で30単位減る減算ルールがありました。連続30日以上は利用できないため自費利用日を挟むことや認定期間の半分を超えてはいけない縛りなどがありました。今回は、さらに60日を超えた利用について報酬単価に直接影響することになります。

ロングショートの利用目的

ショートステイの長期利用に関する改定内容はこちらの記事にもまとめています。

まとめ

通所系サービス・小規模多機能・ショートステイに関する介護報酬改定の変更点をまとめました。

報酬単価についてはこれから公表されますが、しっかり情報収集することにより準備をしていきましょう こちらに公表しておりますのでご参照ください。

介護保険制度改定2024特集

参考資料

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この記事を執筆・編集したのは

いえケア 編集部

在宅介護の総合プラットフォームいえケアです。
いえケア編集部では主任介護支援専門員としての地域包括支援センター相談員や居宅介護支援事業所管理者などの介護分野での経験を活かし、在宅介護に役立つ記事を作成しております。
運営会社:株式会社ユニバーサルスペース


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