介護者リフレッシュ事業。介護する人を地域で支える。気分転換が在宅介護を続けるポイント!

介護者リフレッシュ事業とは? 介護コラム
いえケア(在宅介護の総合プラットフォーム)

いえケア 編集部

在宅介護の総合プラットフォームいえケアです。
いえケア編集部では主任介護支援専門員としての地域包括支援センター相談員や居宅介護支援事業所管理者などの介護分野での経験を活かし、在宅介護に役立つ記事を作成しております。

在宅介護はときに大きな負担を伴います。現在、ふだんから家族を介護している介護者は全国に653.4万人いるという統計があります。在宅介護を続けていくためには、介護者の抱える介護負担を取り除いていくことも重要です。

今回はそんな介護者を支えるために行われている事業「介護者リフレッシュ事業」について紹介します。

この記事をお勧めしたい人

  • 介護疲れや介護負担を感じている人
  • 介護に忙殺され、リフレッシュや気分転換をする機会を持てないと悩んでいる方

この記事でお伝えしていること

  • 介護者リフレッシュ事業とは
  • 地域ごとに異なる介護者リフレッシュ事業のメニュー
  • 介護者リフレッシュ事業を利用するための手続き

在宅介護の大変さと介護者リフレッシュ事業の重要性

在宅介護は、ご家族等の協力のもと、住み慣れたご家庭での暮らしを続けることができます。しかし、介護者にとっては「介護疲れ」や「介護負担」を伴うこともあります。特に、認知症を抱える家族のケアは、日常生活の多くの側面でサポートが必要であり、それが介護者の身体的、精神的なストレスを引き起こすことがあります。

身体的にはオムツ交換や入浴介護などで無理な姿勢をすることが多くなり、腰痛を発症することが非常に多いです。在宅介護での腰痛に関してはこちらの記事に詳細を記載しております。

そのような状況が重なってうつ症状を引き起こすことを「介護うつ」と言います。介護うつに関して、詳しくは以下の記事を参照してください。

とはいえ、家族介護を担う方々は、家族の介護と自身の休息やリフレッシュの時間を両立させることが難しいと感じています。このような状況から、家族介護者のために、介護者リフレッシュ事業を実施する自治体も増えています。介護者リフレッシュ事業は、介護者にとって休息とレスパイトを提供する大切な方法の一つです。地域によって、介護者リフレッシュ事業、家族介護者支援事業、在宅介護者リフレッシュ事業など、様々な名称がつけられています。実施する内容も地域によって異なります。

在宅介護

介護者リフレッシュ事業は、介護者に一時的に介護業務から解放される機会をもたらし、ストレスを軽減し、心身のバランスを保つのに役立ちます。また、家族の介護者同士が地域のコミュニティで交流することも、情報共有やアドバイスを受ける場として非常に重要です。

この記事では、介護者リフレッシュ事業が日常生活をどのように改善し、介護疲れや介護負担を軽減するのに役立つかに焦点を当てていきます。さらに、地域によって提供されるメニューの違いや詳細についても詳しく説明します。あなたの地域で利用可能なサービスを見つけ、介護者としての役割を果たしながら、自己ケアも大切にできる方法を探してみましょう。

介護者リフレッシュ事業の多彩なメニュー

在宅介護の大変さを理解している自治体では、さまざまなメニューを提供して、介護者の心身の健康をサポートしています。ここでは、具体的な自治体の例を交えながら、介護者リフレッシュ事業の多彩なメニューについてご紹介します。

1. マッサージやリラクゼーションの提供

マッサージを受ける男性

一部の自治体では、介護者に対してマッサージセラピーやリラクゼーションセッションを提供しています。これにより、介護者は日常のストレスを解消し、リフレッシュする機会を得ることができます。例えば、埼玉県所沢市の「在宅介護者リフレッシュ事業」では、定額の料金でマッサージを受けることができます。

要介護4以上の認定を受けている高齢者を自宅で介護している在宅介護者の健康増進、疾病予防に役立てていただく事業です。はり・きゅう・マッサージの施術を低額で利用できる「在宅介護者リフレッシュ事業利用券」を交付します。

対象者
「所沢市特定在宅高齢者介護手当」を申請し、支給決定された方

交付枚数
1年度につき2枚(2施術分)

利用券を使用すると次の金額で、はり・きゅう・マッサージの施術を利用できます。
・治療院(通院施術) 500円
・自宅(訪問施術) 1,000円

在宅介護者リフレッシュ事業

2. 交流と支援: 介護者同士のコミュニティ

自治体は、家族介護者同士が交流し、情報共有できる場を提供しています。大阪府東大阪市の「在宅老人介護者リフレッシュ事業」は、介護の技術を学ぶとともに、介護者同士のつながりを促進し、お互いに助け合う場となっています。

家庭において、65歳以上のねたきりや認知症の人などの介護をしている人を対象に、日ごろの悩みや体験談を語り合い、介護技術・機器及び支援サービスについての情報を交換する等の介護者同志の交流を通じ、心身のリフレッシュを図ります。

具体的な事業内容は、介護の方法を学ぶ講義や実習(介護ベッドや車いすの使い方など)、講演会、食事をしながらの介護者同士の意見交換会などです。

対象者
次の条件をすべて満たす人

・市内に居住している人
・家庭において3か月以上、65歳以上のねたきりや認知症の人などの介護をしている人

在宅老人介護者リフレッシュ事業 | 東大阪市

3. 日帰り温泉の助成券とその利用方法

介護者に日帰り温泉の助成券を提供している自治体もあります。これを利用することで、介護者はリラックスしたひとときを楽しむことができます。たとえば、神奈川県海老名市では「在宅介護者等リフレッシュ事業」を実施し、市内の日帰り温泉だけでなく、箱根の温泉施設の宿泊費助成券を提供し、リフレッシュの機会を提供しています。

市内在住の要介護4または要介護5に認定されている方及び、その方を在宅で介護している方。
要介護者が、直近過去6カ月(10月1日~3月31日)のうち、合計90日以上施設に入所している場合や入院している場合は、対象となりません。(ショートステイも施設とみなします)

助成内容
助成券は1枚500円です。1人1回の利用上限額は以下のとおりです。

はり・灸・マッサージ・指圧施術費助成券 1人1回 2,000円まで
日帰り温泉施設利用費助成券       1人1回  500円まで
箱根温泉施設宿泊費助成額        1人1回 6,000円まで
食事利用費助成券            1人1回 1,000円まで
理美容利用費助成券           1人1回 3,000円まで

海老名市在宅介護者等リフレッシュ事業
海老名市公式ウェブサイト

これらの自治体の取り組みは、介護者が家族のサポートを続ける中で、心身の健康を維持し、介護負担を軽減するために非常に有益です。あなたの地域でも、似たようなメニューが提供されている可能性が高いので、自治体の窓口や地域包括支援センター、社会福祉協議会などに情報を問い合わせてみることをおすすめします。

介護者リフレッシュ事業の申し込み手続き

介護者リフレッシュ事業は市区町村の事業ですので、利用するためには、申し込み手続きが必要です。事業実施自体は社会福祉協議会などに委託していることもあります。一般的には以下の手順となっています。

1. 対象条件のチェック

まず、地域で介護者リフレッシュ事業があるか。そして、介護者リフレッシュ事業の対象者かどうかを確認します。各事業やプログラムには異なる資格条件が設定されていることがあります。例えば、要介護1以上という地域もあれば、要介護4・5と限定されている場合もあります。

申込期限などもありますので、ホームページ等で詳細な情報を確認しましょう。

2. 申し込み

対象となることを確認したら、申し込み窓口を確認し、窓口にて申請書類に必要事項を記入します。申込者の情報や家庭内で介護している方の状況に関する情報も記入します。介護保険の被保険者番号も含めて、正確に情報を提供することが重要です。介護保険証の提出が必要な場合もありますので、申請時に必要な書類がないか、確認しましょう。

3. 審査と通知

申し込みが提出されると、審査が行われます。申し込み内容に不備がなく、条件に合致していていれば申し込みが受理されます。申請結果は郵送などで通知されます。

4. メニューの利用

申し込みが承認されて、初めて介護者リフレッシュ事業を利用することができます。申し込みの結果通知とともに、助成券と利用案内などが同封されていることがありますので、内容をよく確認しましょう。

もし、リフレッシュ事業に参加している間、代わりに介護をする方がいない場合、サービスの調整が必要になる場合もあります。デイサービスの利用や、ショートステイの予約など、介護保険サービスを活用することでリフレッシュ事業に参加する時間を確保しましょう。日時が決まっている場合は早めに担当ケアマネジャーと相談することをお勧めします。

介護者リフレッシュ事業を利用することで、介護者の心身の健康をサポートし、休息を得ることができます。

まとめ: 介護者リフレッシュ事業で新しいエネルギーを

介護者リフレッシュ事業は、在宅介護を行う家族にとって、休息・リフレッシュを通して新しいエネルギーを得る大事な機会です。ここで紹介したメニューやプログラムは、介護者の心身の健康をサポートし、介護疲れや介護負担を軽減するために設計されています。まとめとして、以下のポイントを再確認しましょう。

1. 休息とリフレッシュの機会

介護者リフレッシュ事業は、介護者が休息を取り、ストレスを軽減し、心身の調和を保つのに役立つ方法を提供します。自分の健康と幸福を維持するために、定期的にリフレッシュする時間を取ることは非常に重要です。

2. 地域別の多様なサービス

各地域の介護者リフレッシュ事業は、地域のニーズや資源に合わせて異なるサービスを提供しています。地元の自治体や介護支援団体を通じて、あなたの地域で利用可能なプログラムやサービスを見つけてください。

3. セルフケアの重要性

介護者としての役割を果たしながら、自己ケアを怠らないことが大切です。介護者リフレッシュ事業を利用して、自分自身を大切にし、新しいエネルギーを得ることで、より良い介護環境を築くことができます。

あなたの地域で利用可能なリフレッシュプログラムを見つけ、介護者としての役割を(無理なく)は他市ながら、自分らしくいられる時間を見つけましょう。

参考資料

いえケアロゴ

この記事を執筆・編集したのは

いえケア 編集部

在宅介護の総合プラットフォームいえケアです。
いえケア編集部では主任介護支援専門員としての地域包括支援センター相談員や居宅介護支援事業所管理者などの介護分野での経験を活かし、在宅介護に役立つ記事を作成しております。
運営会社:株式会社ユニバーサルスペース


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