いえケア 編集部
在宅介護の総合プラットフォームいえケアです。
いえケア編集部では主任介護支援専門員としての地域包括支援センター相談員や居宅介護支援事業所管理者などの介護分野での経験を活かし、在宅介護に役立つ記事を作成しております。
【この記事をお勧めしたい人】
- デイサービスを見学してみたいけれど、何を見たらいいのかわからないと困っている人
- デイサービスの見学が決まったけれど、何を着ていけばいいか心配な人
【この記事で解説していること】
- デイサービスには様々な事業所があり、実際に雰囲気を見て決めることが大切。
- 見学時には運動しやすい服装で。履きなれた靴を履きましょう。
- 見学の予約をする際には日時や送迎の希望などを正確に伝える。
デイサービスは、高齢の家族や介護が必要な方々にとって、有益な介護保険サービスの一つです。
今、デイサービスの事業所数は全国で4万5000件を越え、様々なスタイルの事業所が営業しています。そのため、デイサービスと契約し、利用開始する前に、実際に施設を見学することは非常に重要です。デイサービスの見学は、家族や利用者にとって、その施設が本当に合っているかどうかを確認する貴重な機会です。
この記事では、デイサービスの見学に行く際の服装や注意すべきポイントについて詳しく説明します。
デイサービスに見学する意味
デイサービスの見学は、在宅介護を受けている家族や利用者にとって、今後のケアプランを確立するための重要なステップです。デイサービスは、要介護・要支援の認定を受けた方に食事・入浴・排泄・運動などのメニューを提供する日帰りの通所施設であり、家族の負担を軽減し、利用者の生活の質を向上させる手段のひとつとして利用されます。
デイサービスについての詳細はこちらの記事をご参照ください。
では、なぜデイサービスに見学に行くことが大切か、その意味を考えてみましょう。
1. 施設を実際に見て雰囲気を知る
デイサービスのホームページやパンフレットにも情報はありますが、施設の実際の様子や雰囲気を正確に把握することは難しいです。ケアマネジャーからの情報は信頼に値するものですが、ただ話を聞くだけではイメージをつかむことは難しいです。
実際に見学に行くことで、施設内を直接見て触れることができ、清潔さや居心地の良さ、利用者が過ごす雰囲気を実感することができます。肌で感じた情報が最も価値の大きな情報となります。
2. 利用者本人のニーズに合った選択をする
デイサービスはさまざまな種類があり、提供するサービスやプログラムが異なります。見学を通じて、施設が提供するプログラムやアクティビティが、本人のニーズや好みに合ったものであるかどうかを確認できます。リハビリテーションプログラム、入浴などが提供されているか、医療的なケアが必要な場合の看護スタッフの体制があるかなどを確認することができます。
特定の曜日が利用希望の場合は空き状況があるか、あらかじめ確認しておきましょう。そして、利用する予定の曜日に合わせて見学すると、実際の雰囲気がよくわかります。
3. 家族の安心感を高める
デイサービスは利用者本人だけでなく、家族にとっても重要なサービスです。家族はデイサービス利用を通じて、日中の介護負担を軽減することができます。見学を通じて施設を確認し、適切なケアを受けられる環境かどうかを確認することができます。
実際に見学をしていることで、利用しているイメージを家族も持つことができ、安心につながります。
4. 信頼性を向上させる
デイサービスの見学は、施設の信頼性を高める重要なステップでもあります。家族や利用者は、実際の様子を確認することで、信頼できるサービスかどうかを判断する材料にできます。
デイサービスの見学は、家族や利用者にとって大きな意味を持ちます。施設の実際の状況を把握し、利用者本人に合ったデイサービスを選ぶために、利用する本人だけでなく、できれば家族も見学をしておくことをお勧めします。
5.利用目的の明確化と優先順位設定
見学前には、利用目的を明確化しましょう。これがぶれてしまうと、本来の目的を達成できなくなります。今後の在宅介護においてどんなサポートが必要か、優先度を決めておくことが大切です。
たとえば、リハビリを重視するか、他のご利用者との交流を大切にしたいかなど、目的に応じて確認するポイントを整理することで、見学がより効率的になります。雰囲気がいいから、担当者の対応がよかったから、だけの理由で決めてしまうことがないよう、見学前に、目的を今一度確認しましょう。
デイサービス見学の服装
デイサービスの見学に行く際、迷うのは服装選びです。利用者本人からはよくこんな質問を受けます。
デイサービスに行くのは初めてなので、どんな服を着ていったらいいのかわからない。他の人たちはどんな服を着ているのかしら。あまり派手じゃないものがいいのかしら・・・。
本人にとってはとても気になることですよね。デイサービス見学における服装と靴に関するアドバイスを提供します。
1. 動きやすい服装を選ぶ
デイサービスの見学に行く際、快適な服装を選ぶことが大切です。堅苦しい服装ではなく、動きやすく、長時間着ていても快適な服を選びましょう。カジュアルな服装やスポーツウェアが適しています。
特に運動プログラムを中心とした機能訓練特化型のデイサービスや、通所リハビリテーション事業所などを利用する場合は運動に適した服装を選びましょう。マシントレーニングを行うときに、マシンの器具が袖に引っかかってしまい、事故につながってしまう可能性もあります。動きやすく、あまりひらひらしていない服装を選ぶといいでしょう。
2. 季節に応じた服装
季節に合わせた服装を選ぶことも重要です。暑い季節には涼しい服装、寒い季節には暖かい服装を心掛けましょう。
また、施設内の温度差に備えて、薄手のセーターやカーディガンを持参することを検討します。外の気温は暑いけれど、施設の中は冷房が効いているために寒いという場合もあります。また、冷房を利かせているものの、施設内を換気する時間帯は外の空気が入り込んで暑いという場合もあります。脱いだり着たりするのが簡単にできる羽織ものがあると自分で調整しやすいので、一枚用意しておくといいでしょう。
3. 靴の選び方
靴の選び方も大切です。デイサービス施設内では、機能訓練やアクティビティが行われます。見学時にも活動を体験することがありますので、適切な靴を履くことが安全に見学ができます。施設によっては上履きに履き替える必要がありますので、確認しておくことをお勧めします。
以下は、靴の選び方に関するアドバイスです。
- フィットしたサイズの靴: 靴は足にしっかりとフィットしたものを選びましょう。靴がきつすぎたり、ゆるすぎたりしないように注意しましょう。
- 滑りにくいソール: 靴底が滑りにくいものを選ぶことで、施設内での移動が安全になります。特に雨の日や湿った床面に対応できる靴底がおすすめです。
- かかとのある靴: サンダルなどのかかとのない靴は脱げるおそれもあり、足元を保護できません。かかとのある靴を選びましょう。
デイサービスの見学時には、動きやすさ・活動のしやすさを意識した服装で参加しましょう。
もし履いていく靴がない、という場合は靴を新調するのもいいでしょう。介護が必要な高齢者を対象にした靴選びは専門的なアドバイスが必要な場合もあります。シューフィッターの資格を持った販売員がいるお店や、福祉用具専門相談員などに相談するのもいいでしょう。
見学時に注意すべきポイント
デイサービスの見学は、今後のケアプランを決めるための重要なステップです。見学時には、施設やサービスの実態を評価し、利用者に最適なデイサービスを見つけるために注意すべきポイントがいくつかあります。以下は、見学時に留意すべきポイントです。
1. 見学の予約について
デイサービスの見学をする前に、事前に予約を行うことが一般的です。施設に連絡を取り、見学の予定日時を調整しましょう。予約時に、見学に参加する人数や送迎対応の希望有無を伝えることが大切です。また、見学希望時間も伝えましょう。デイサービスが提供するプログラムやアクティビティを見学できる時間帯を選びましょう。一般的には午前中であれば10時30分ごろ、午後であれば14時ごろに見学をするパターンが多いです。
担当のケアマネジャーが予約を代理で行うパターンも多いですが、その場合にもこれらの内容を伝達してもらうようにしましょう。
2.ケアマネジャーからの事前情報
見学前にはケアマネジャーと相談し、アドバイスを得ると良いでしょう。どんな施設なのか、いい点や悪い点もよく知っています(悪い点をどこまで話すかはケアマネジャーにもよります)。
複数の施設を見学する際には、それぞれのサービス内容やスタッフの対応、施設の雰囲気を比較検討するのが効果的です。ケアマネジャーの説明やパンフレット、ホームページの情報などを参考に、具体的な特徴をリスト化しておくと、ご家族のニーズに最も合う施設を見つけやすくなります。
3. 施設内の環境や清潔さの確認
見学時には、施設内の雰囲気や清潔さを見ておくといいでしょう。清潔な環境、整頓されたスペース、安全な設備が整っているかを確認しましょう。また、居心地の良さや明るさも重要な要素です。
4. スタッフの対応やコミュニケーション
デイサービスのスタッフは利用者にとって重要な支えとなります。見学時には、スタッフの対応や関わり方も確認しましょう。スタッフが利用者に対して親切に接しているかどうかわかると、安心して利用できるでしょう。
5. 提供されるプログラムやアクティビティの確認
デイサービス施設はさまざまなプログラムやアクティビティを提供します。見学時には、提供されるプログラムやアクティビティについて実際に見ておくことをお勧めします。見学時にも一緒に体験させてくれる場合もありますので、実際にやってみて自身に合っているかどうかを確認する重要な機会となります。
デイサービス見学ではこれを質問しましょう!
デイサービスの見学で、「なにか質問はありますか?」って言われると、困りますよね。就職面接でもそんなシチュエーションがあったような。
具体的に相談したいことや確認したいことがあればそれを聞くといいのですが、何を聞いたらいいかわからない、という方は以下のリストを参考に質問してみると、必要な情報を確認できると思います。
全部、質問することはないと思いますが、このリストを参考にどうしても聞いておきたいことはメモしておきましょう。
デイサービスを見学して不安を感じたら
デイサービスを見学したら利用が決まるというわけではありません。もし、利用することに不安を感じたら、ケアマネジャーさんと相談して、別のデイサービスも見学してみましょう。
自分にはどちらのデイサービスが合いそうか。どちらの方が安心して過ごせそうか。複数のデイサービスを見学することでより具体的に違いを理解することができ、納得して利用することができます。
もし一つ目のデイサービス見学で感じた不安や困りごとがあれば、それをケアマネジャーに伝えましょう。
「見学したけれど、人数が多すぎて、もっと少人数の所がいいな」と感じたなら、ケアマネジャーに少人数のデイサービスを紹介してもらいましょう。
「運動してみたけれど、とてもじゃないけれどついていけない。もうすこしのんびりしたところがいい」と感じたならケアマネジャーに機能訓練の内容の少ないデイサービスを紹介してもらいましょう。きっと条件に合ったデイサービスを提案してくれるはずです。
デイサービスの見学で、ここなら安心して利用ができそう、と思ったらデイサービスとの契約やサービス担当者会議が必要ですので、ケアマネジャーさんに連絡しましょう。きっとデイサービスを利用する充実した毎日が待っているはずです。
見学にお金はかかるの?
デイサービスの見学にお金はかかりません。送迎が必要な方は送迎も無料で対応しています。ただ、送迎の手配ができない事業所もありますので、その場合はタクシーや家族の送迎などを利用して見学するパターンが多いです。
ちなみに、みんな何カ所くらいデイサービス見学するの?
見学するデイサービスの事業所数は人によって異なります。一か所だけ見てパッと直感で決めてしまう方もいます。早く決めて定期利用をスタートしたいと、すぐに契約する人もいます。
かと思えば、3か所・4か所とじっくり見て選ぶ方もいます。印象的には1~2か所見て決める方が多いです。行くとデイサービスの印象が良かったと、すぐに利用したいという方が多いです。いつまでも決めずに見学をしていると、一番行きたいと思っていたところが定員いっぱいになって利用できなくなる、なんてこともあります。早い者順で、人気のあるデイサービスは秋ができてもすぐに埋まってしまうことが多いので、ここがいい!と思ったら時間を置かず、早めに決めることをお勧めします。
まとめ
デイサービスの見学は、ケアプランにおいてとても重要なステップです。施設の雰囲気を知り、スタッフの対応を知り、提供されるプログラムを確認することで、最適なデイサービスを選べるための手助けとなります。見学時にはこれらのポイントを心に留め、慎重に選択肢を検討しましょう。
この記事を執筆・編集したのは
いえケア 編集部
在宅介護の総合プラットフォームいえケアです。
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